2018年11月19日に行われた、SOMPOホールディングス株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:SOMPOホールディングス株式会社 経営企画部 IR室長 黒田幸徳 氏
業績ハイライト(2018年度中間期)
黒田幸徳氏:SOMPOホールディングスの黒田でございます。本日はお忙しい中、弊社電話会議にご参加いただき、ありがとうございます。本日(2018年11月19日)開示しました、2018年度中間決算および今期の通期業績予想に関して、数値面を中心にご説明をいたします。なお、経営戦略的な面につきましては、来週開催するアナリストのみなさま向け説明会において、経営陣からお話をいたします。
さっそくですが、2ページをご覧ください。2018年度中間決算につきましては、台風21号といった国内自然災害の発生損害額が大きく拡大しましたが、前年度に北米ハリケーンを追い込み計上した影響が剥落したため、結果として連結経常利益はプラス240億円増益の278億円、連結純利益は202億円増益の221億円となりました。
今期の通期業績予想は、足元の状況を反映して修正した数値を、今回お示ししました。新たな予想は、連結経常利益で2,370億円、連結純利益で1,700億円です。のちほどご説明しますが、主に国内自然災害の発生影響を反映したこと、SOMPOインターナショナルの着地見通しを調整したことなどによります。
スライドにはございませんけれども、本日別途開示しましたとおり、これまで株主還元の目的で取得してきた自己株式のすべて……発行済株式で約10パーセント相当ですけど、これの消却を決定しましたので、併せてお伝えいたします。
2018年度中間決算概況(連結)
4ページをご覧ください。中間決算の数値一覧です。増減要因などについては、次のページ以降で説明をさせていただきます。
決算のポイント① 保険引受利益(損保ジャパン日本興亜)
5ページです。
損保ジャパン日本興亜の保険引受利益ですけれども、台風21号を中心とした国内自然災害の発生損害額が、対前年比で1,216億円拡大したことを主因に860億円減益して、584億円の赤字となっております。国内自然災害を除くベースで見ますと、大口事故の発生がこの中間期は16億円程度にとどまっておりまして、対前年比で131億円ほど改善したことなどから、134億円の増益となりました。
なお、台風21号などの支払進捗は、(2018年)9月末時点では15パーセント程度になりますけれども、通期では9割近くまで支払うことが可能と見込んでおりますので、通期業績予想では異常危険準備金の取り崩し益が効いてくることになります。
決算のポイント② 資産運用粗利益(損保ジャパン日本興亜)
6ページをご覧ください。資産運用粗利益です。
350億円増益の653億円となりました。純投資におけるファンド解約などによって利配収入が上振れしたこと、それから前年度に発生したグループ会社株式の評価損がなくなったことなどが、増益の要因です。
決算のポイント③ 連結経常利益
7ページをご覧ください。連結経常利益です。
対前年比で240億円増益の278億円ということで、ご説明の保険引受利益および資産運用粗利益のほか、前年度に北米ハリケーンの損害として、745億円を前中間期に追い込み計上した影響が剥落したことを主要因とした増益です。
なお、海外グループ会社は表記上減益になっていますけれども、SOMPOインターナショナルの現地会計の段階において、今期からの無形資産などの償却を反映することになったというような、テクニカルな要因によるものでして、こうしたノイズを除くと実質的には増益をしているということでございます。
決算のポイント④ 連結純利益
連結利益は、8ページをご覧いただければと思います。
2018年度通期業績予想(連結)
9ページをご覧ください。こちらは、通期業績予想の数値一覧です。
冒頭で申し上げましたとおり、期初予想から修正を行いました。
通期業績予想修正のポイント
ポイントは次のページでご説明いたしますので、10ページをご覧ください。
連結純利益につきましては、期初予想から400億円減額しております。主要な修正要因として2つご説明させていただくと、1つ目は台風21号などの国内自然災害に係る影響でございます。発生損害額の見込み、あと異常危険準備金の取り崩しのほか、再保険の復元保険料などを考慮しますと、期初予想からマイナス191億円の見込みとなっております。
2つ目は、SOMPOインターナショナルの業績修正です。期初予想と足元の環境との最大の差異は、マーケットのハード化度合いになるんですけれども、収入保険料を現実に即して調整したこと。それから、修正利益には影響しないアイテムですけれども、保有有価証券の時価変動の影響も受けておりまして、これらを主因に130億円強、ボトムラインを修正しました。
2018年度中間決算概況(損保ジャパン日本興亜)
15ページです。ここから、損保ジャパン日本興亜の決算概況をご確認をいただきます。それぞれの項目について、次のページ以降で説明します。
正味収入保険料
16ページをご覧ください。
正味収入保険料は、いわゆる民保計にてプラス0.2パーセント増収しました。火災保険は、SOMPOインターナショナルへの一部契約の移管、傷害保険も一部契約を他種目へ移管したことなどが減収の要因になっています。自動車保険は、(2018年)1月の値下げ影響が出たかたちです。
一方で、新種保険が引き続き好調な推移となっていまして、これらをカバーしております。とくに中小企業向けの商品が、2桁の伸びを見せているというところでございます。
正味損害率(リトン・ペイド)
17ページをご覧ください。リトン損害率です。
中間期の損害率は、対前年比プラス2ポイント上昇の60.8パーセントとなりました。ご案内のとおり、火災保険を中心とした国内自然災害の影響が主因です。この自然災害影響を除くと、0.9ポイントの低下であったということでございます。
通期予想では、国内自然災害の支払いの進捗に伴って、対前年比でプラス6.2ポイントの上昇を見込んでいるということでございます。
正味損害率(アーンド・インカード)
18ページに、アーンド・インカードベースの損害率を載せております。
リトン損害率同様、国内自然災害の影響が上昇の主因です。中間期は、対前年比12.1ポイント上昇の73.4パーセントになりました。
通期予想では、対前年で6.8ポイント上昇した68.5パーセントを見込んでおります。国内自然災害の影響が主要因なんですけれども、さらに大口事故の発生損害につきまして、相当程度保守的に織り込んだことも、要因の1つとして付け加えておきます。
正味事業費率
19ページをご覧ください。事業費率です。
中間期は、対前年比で0.3ポイント低下して33.5パーセントとなりました。人件費および物件費ともに、引き続ききちんとコントロールできており、計画どおりと評価をしています。通期予想においても、特筆するような変更はございません。
コンバインド・レシオ
20ページをご覧ください。ご説明した損害率と事業費率を足したコンバインド・レシオですけれども、国内自然災害を除いたベースでもお示ししましたので、ご参考いただければと思います。
資産運用損益
21ページをご覧ください。資産運用損益です。
中間期については、冒頭でご説明したとおりです。政策株式の削減について補足をいたしますと、中間期時点で現物株の売却は552億円となっておりまして、売却額の年度計画値の1,000億円前後と比較しても、順調な進捗です。
発行体との応諾額の状況は、既に今期の売却計画を上回る額の交渉が完了していますので、引き続き「株式相場をよくウォッチした上で」ということになりますけれども、計画以上で着地することも、十二分に可能な状況にあるということでございます。
通期予想については、足元の環境などを踏まえ、1,475億円を見込みました。期初予想からプラス53億円上方修正しています。
(参考)資産運用粗利益の内訳
利配収入や売却損益などの詳細を、次のページで参考に掲載しております。
(参考)2018年度通期業績予想(損保ジャパン日本興亜)
それでは23ページです。こちらが、損保ジャパン日本興亜の業績予想数値の一覧になっておりますので、後ほどご確認いただければと思います。
(参考)通期業績予想の前提(損保ジャパン日本興亜)
また、この(通期業績予想の)前提は、次の24ページ(に記載しております)。
(参考)自動車保険関連の指標
25ページは、いつもお示ししております自動車保険関係のデータですので、併せてご覧ください。
(参考)国内自然災害
26ページです。今期の最大のノイズになっています、国内自然災害の状況を補足します。
中間期の元受発生保険金は3,028億円、正味発生保険金は1,472億円です。ご覧のとおり、元受発生保険金の半分以上が、台風21号の影響になりました。
通期予想では、台風24号の(2018年)10月以降の発生保険金ですとか、冬の雪害のほか、一定のバッファーも織り込みつつ、国内自然災害の正味発生保険金については1,750億円で見込みました。
従って、期初予想が480億円でしたので、国内自然災害予算を1,270億円ほど増額したことになります。
業績概況(海外保険事業)
次は29ページにまいります。海外保険事業です。
中間期の修正利益は、624億円増益の271億円となりました。前年度中間期の北米ハリケーンの追い込み計上の影響は、税後で見ますと576億円ですので、これが剥落したことが主要因と言えます。
通期予想のボトムは、期初の630億円から540億円に下方修正しました。修正の要因は、SOMPOインターナショナル(SI)の業績見直しによるマイナス68億円と、トルコリラの為替影響でマイナス19億円を見たものでございます。
地域別業績
30ページは、これ(業績)を地域別にブレークダウンしております。
(参考)グループ会社別業績
31ページに、グループ会社ごとに(業績の)ポイントを掲載していますので、これは後ほどご確認ください。
(参考)SI業績概況①
32ページです。海外の最大ビークルとなります、SIの業績に関して補足をいたします。このスライドの数値は、米ドルベースでお示しをしています。
中間期のトップラインは、元受事業を中心に拡大しました。発生保険金は、契約の拡大もあって増加しているんですけれども、社費はトップライン増収に比較して、一定コントロールできている状況でございます。
面談などにおいて、みなさまから多数質問を受けていました「マーケットのハード化の状況」につきましては、業界平均では1桁台前半のプラスにとどまったと言われておりますけれども、SIではこれを上回る1桁台後半のレートアップを実現をしております。
しかしながら、期初予想では、前回もご案内のとおり10パーセント強のレートアップを見込んでいたことから、ここを足元の環境を踏まえて、トップライン成長を今回調整したのが、業績予想修正という意味では骨子になります。
(参考)SI業績概況②
次のページには、SIの数値データを参考掲載していますので、後ほどご確認ください。
業績概況(ひまわり生命)
35ページです。ひまわり生命の概況でございます。
責任準備金の入り繰りによるプラス効果などもあるんですけれども、概ね計画どおりという認識を持っております。経常利益は64億円増益の154億円、当期純利益は51億円増益の94億円となりました。なお、コストなどの一部が下期に寄ることなども考慮して、通期予想自体は変更はしていないということでございます。
当期純利益(ひまわり生命)
次のページに、ひまわり生命の当期純利益の増減要因(を記載しています)。
(参考)修正利益・修正純資産(ひまわり生命)
あと、修正利益に関する補足も37ページに(記載)しておりますので、こちらは後ほどご確認ください。
業績概況(介護・ヘルスケア事業等)
39ページです。介護・ヘルスケア事業です。
介護事業の主要指標である入居率が引き続き改善しておりまして、計画どおりの推移をしており、中間期の純利益は12億円増益した22億円でございます。
(参考)SOMPOケアの主要指標
入居率などのトレンドは、次のページでご確認いただければと思います。
財務健全性:ESR(99.5%VaR)
42ページです。ESRの状況ですけれども、こちらに特別な動きはございませんし、財務の健全性には問題はないということでございます。
(参考)実質自己資本・リスク量のブレークダウン
次に、実質自己資本とリスク量のブレークダウンを載せていますので、またご確認いただければと思います。
資産ポートフォリオ(グループベース)
最後に、44ページでございます。
これ以降に、グループベースの資産ポートフォリオのほか、損保ジャパン日本興亜やSI、それからひまわり生命のポートフォリオを掲載しましたので、後ほど確認いただければと思いますけれども、付け加えるような特別な動きはないということでございます。
以上で、説明を終了させていただきます。