総務省が5月23日に発表した4月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)によると、変動の大きい生鮮食品を除く総合が110.9となり、前年同月と比べて3.5%上昇したことがわかりました。

3月の3.2%を上回り、2カ月連続で伸び率が拡大したことになりましたが、主にコメなど食料品の値上げが影響しているようです。

続く物価高騰により、限られた収入内でのやりくりが強いられる年金受給者は、より大きな負担を感じている人も多いのではないでしょうか。

実は、年金受給金額には地域差があります。

今回は、地域によって年金受給金額にはどのくらいの地域差があるのか、なぜその地域差が起きてしまうのかを紐解いていきます。

今後の老後資産形成の参考にしてみてはいかがでしょうか。

1. 厚生年金の全国平均は月額で14万円台、個人差はどのくらい?

会社員や公務員等だった方で一定の要件を満たした方は、老齢厚生年金が受給できます。

厚生年金の全国平均は、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると14万6429円でした。ただし、個人差や男女差があります。

〈全体〉平均年金月額:14万6429円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※国民年金部分を含む

1.1 厚生年金受給額の個人差

  • 1万円未満:4万4420人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4367人
  • 2万円以上~3万円未満:5万231人
  • 3万円以上~4万円未満:9万2746人
  • 4万円以上~5万円未満:9万8464人
  • 5万円以上~6万円未満:13万6190人
  • 6万円以上~7万円未満:37万5940人
  • 7万円以上~8万円未満:63万7624人
  • 8万円以上~9万円未満:87万3828人
  • 9万円以上~10万円未満:107万9767人
  • 10万円以上~11万円未満:112万6181人
  • 11万円以上~12万円未満:105万4333人
  • 12万円以上~13万円未満:95万7855人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3629人
  • 14万円以上~15万円未満:94万5907人
  • 15万円以上~16万円未満:98万6257人
  • 16万円以上~17万円未満:102万6399人
  • 17万円以上~18万円未満:105万3851人
  • 18万円以上~19万円未満:102万2699人
  • 19万円以上~20万円未満:93万6884人
  • 20万円以上~21万円未満:80万1770人
  • 21万円以上~22万円未満:62万6732人
  • 22万円以上~23万円未満:43万6137人
  • 23万円以上~24万円未満:28万6572人
  • 24万円以上~25万円未満:18万9132人
  • 25万円以上~26万円未満:11万9942人
  • 26万円以上~27万円未満:7万1648人
  • 27万円以上~28万円未満:4万268人
  • 28万円以上~29万円未満:2万1012人
  • 29万円以上~30万円未満:9652人
  • 30万円以上~:1万4292人

このように個人差があるうえに、都道府県によっても平均額に差が出ています。

次章では、都道府県別に厚生年金受給額を見てみましょう。