2025年5月23日に総務省が公表した「2020年基準消費者物価指数全国2025年(令和7年)4月分」によると、消費者物価指数(総合指数)は、去年と同じ月より3.6%上昇しています。
なお「米類」は98.4%上昇し、7カ月連続で過去最高を更新していることがわかりました。
老後は、現役時代と比べ収入が少なくなる傾向にあります。
物価の上昇を踏まえたうえで、老後の生活設計を考えることが大切です。
老後の糧となる年金ですが、加入する制度や加入期間などによって「老後の年金額」が異なります。
この記事では「国民年金」と「厚生年金」の2階建てとなる公的年金制度について、わかりやすく解説します。
《一覧表》で60歳~90歳以上の「国民年金」と「厚生年金」の平均月額を5歳刻みでご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
合わせて、公的年金の「全体平均」や「男女差」がどれくらいあるのかも見ていきます。
1. 「国民年金」と「厚生年金」2階建ての公的年金制度《加入対象・老後の受給額》
「2階建て」と言われる日本の公的年金制度。いわれは、ベース部分の「国民年金」と、上乗せ部分の厚生年金から構成されるためです。
さっそく国民年金と厚生年金のしくみを見ていきましょう。
1.1 国民年金:1階部分
- 加入対象:原則として日本国内に住む20歳以上から60歳未満の全ての人
- 年金保険料:全員一律(※1)
- 老後の受給額:40年間納付すると65歳以降に満額(※2)を受給できる
※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
1.2 厚生年金:2階部分
- 加入対象:会社員や公務員、一定要件を満たすパート・アルバイトの人が国民年金に上乗せして加入
- 年金保険料:報酬(賞与・給与)に応じて計算される(上限額あり※3)
- 老後の受給額:国民年金に上乗せして受給。厚生年金部分は年金加入期間や納付済保険料により個人差が出る。
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。
2階部分の厚生年金に加入している人は、同時に1階部分の国民年金にも加入しています。加入している年金の種類は老後に受け取る年金額にも影響し、国民年金だけでなく厚生年金にも加入している人のほうが給付が厚くなります。
なお、最近では公的年金だけでは老後の生活が不安ということで、「個人年金保険」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった、私的年金(3階部分)を準備する人も増えています。
続いて、シニア世代が実際に受け取っている年金額の平均を見ていきましょう。