2. シニアおひとりさま世帯の収支状況
貯蓄がゼロの単身者は、老後の生活はどのような暮らしになるのでしょうか。
ここからは、シニア単身世帯の、年金収入と支出の平均値を見ていきます。
2.1 いまどきシニアの厚生年金の平均年金額
まずは、厚生年金受給者の、一人当たりの平均年金受給額です。
2023年時点の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」調査結果によると、厚生年金受給者の老齢年金平均受給月額は14万7360円です。
さらに、同調査の2024年12月時点の速報では、受給月額平均額は15万1086円です。
2025年度において、年金支給額は前年度比1.9%の増額となるため、受給平均額も同程度で上昇することが見込まれます。
2.2 シニア単身世帯の生活費
次に、シニアおひとりさま世帯の平均支出額です。
2024年に実施された「家計調査報告」によると、65歳以上単身世帯の月の平均消費支出額は、14万9286円です。
さらに、税金や保険料など、ものやサービスの購入費用とは別に支払いが必要である非消費支出も含めると、平均の支出額は合計で16万1933円です。
2.3 収入と生活費の差額
年金の平均受給額と、支出平均から見ると、2024年時点において、平均収入が「13万4116円」平均支出が「16万1933円」であり、月の収支としては2万7817円のマイナスです。
年金生活が始まったあとで、収入が増えるケースはほとんどありません。
そのため、マイナス部分については、貯蓄で賄う、または支出を抑えることによりカバーする必要があります。
貯蓄がゼロの世帯は生活費を補填することができないため、年金収入が足りなければ支出を切り詰めて生活をしなければなりません。