株式市場の振り返り-大幅安で、日経平均株価は6日続落

2016年4月5日(火)の東京株式市場は大幅下落となりました。日経平均株価は前日比▲2.4%の下落、TOPIXも▲2.6%の下落で引けています。日経平均株価は6日続落となりました。また、東証マザーズ総合指数も▲5.9%の急落となっています。新興市場の値動きの激しさを見せつけられた格好です。

日経平均株価は、前日比▲79円安で寄り付いた後は、ほぼ一貫して下げ続けました。後場の開始直後にやや値を戻す局面もありましたが、その後は一時▲424円安となり、15,700円を割り込んでいます。結局、大引けは▲390円安の15,732円で終わりました。

東証1部で上昇したのは僅か43銘柄、値下がりは1,889銘柄、変わらず11銘柄でした。値下がり銘柄の比率は97%超に上っています。また、東証1部の出来高は22億3,387万株、売買代金は2兆2,797億円(概算)でした。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種全てが下落、銀行セクターの下げがきつい

東証1部の33業種全てが下落しました。下落率が高かったのは、銀行▲4.3%、鉱業▲4.0%、証券・商品▲3.7%、海運▲3.6%、石油・石炭▲3.6%などでした。一方、相対的に下落率が小さかったのは水産・農林▲0.0%、医薬品▲0.9%、小売▲1.6%、食品▲1.7%などでした。銀行セクターの下げが非常に厳しかったと言えます。

個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などの銀行株が大幅下落となり、円高を懸念されたトヨタ自動車(7203)、マツダ(7261)、スズキ(7269)などの自動車株も軒並み下落しました。その他では、日立製作所(6501)や富士通(6702)などの電機セクターの低位株、ファーストリティリング(9983)などの小売主力株の一角なども大きく値を下げました。数少ない上昇銘柄の中では、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)などの上昇が目を引いています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-催促相場が加速する中、粛々と進む決算発表に注目

5日は大幅安となりましたが、とりわけ、新興市場の急落が大きな関心を集めました。実は、新興市場は2月12日の急落以降、“続落”という状況を経験することなく、好調に上昇してきていました。その膨れ上がったエネルギーが小爆発したという印象です。値動きの激しさは新興市場の醍醐味であると同時に、大きなリスクでもあります。6日(水)以降も注意が必要でしょう。

さて、株式相場全体としては、一昨日にも書いた通り、“催促相場”への動きが加速しているように思われます。現在の株式市場の参加者、とりわけ、外国人投資家から見ると、「経済最優先」を掲げた安倍政権に対する不満が積もっていると考えられます。“有効な政策を打て”という市場の催促に対して、どのような答えを出すのか注目されます。内容だけでなく、スピードも問われましょう。

ただ、新年度が始まったばかりでもあり、早期の対応が難しいことも事実です。したがって、しばらくは“催促相場”が続く可能性が高いと考えられます。懸念材料が払拭できないセクターや個別企業に関しては、下値を拾うのは慎重になるべきです。一方で、小売セクターを中心に、決算発表は粛々と進んでいます。相場環境だけでなく、個々の企業の動向からも目を離せません。

こうした状況下において、6日は決算発表が続く小売セクター、為替影響の小さい医薬品セクター、食品セクターなどに注目したいと思います。また、米国では木曜日(現地時間)にイエレンFRB議長、バーナンキ前FRB議長、グリーンスパン元FRB議長らが一堂に会した討論会(セミナー)も行われるようですから、金融株や輸出関連株のリバウンド狙いはいつも以上に慎重に行うべきでしょう。

【2016年4 月5日 投信1編集部】

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LIMO編集部