2025年4月より年金の支給額は1.9%引き上げられましたが、依然として物価の上昇ペースには追いついておらず、実質的には年金の価値が下がっている状況です。
「老後に2000万円が必要」といった話題や、「年金だけでは生活が難しい」といった声が広がる中、将来への備えに不安を感じる人が増えています。
安心して老後を迎えるためには、まず「自分が将来どれくらいの年金を受け取れるのか」を把握することが大切です。
本記事では、現在のシニア世代が受け取っている「国民年金」と「厚生年金」の平均額について紹介していきます。
1. そもそも老齢年金「厚生年金・国民年金」とは?仕組みをおさらい
まずは老後に受け取る年金の種類を理解するために、老齢年金の仕組みをきちんと整理しておきましょう。
日本の老齢年金は、「国民年金」と「厚生年金」の2本柱で成り立っており、これらは2階建て構造となっています。
「国民年金」と「厚生年金」それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
1.1 国民年金(1階部分)は誰が受け取れる年金?
老齢年金の基礎にあたる「国民年金」は、日本国内に住む20歳から60歳未満のすべての人が原則として加入する制度です。
保険料は全員一律で、将来受け取る年金額は保険料の納付期間によって変わり、たとえば40年間すべての期間で納付を終えた場合、2025年度の満額は月額6万9308円となります。
1.2 厚生年金(2階部分)は誰が受け取れる年金?
「厚生年金」は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入する制度です。
保険料は、給与やボーナスの額に応じて決まりますが、上限も設けられています。
将来受け取る年金額は、加入していた期間やその間の収入に基づいて算出され、国民年金の上に加算される形で支給されます。
次章では、2025年度における国民年金と厚生年金の支給額について、それぞれどの程度の金額が支給されるのかを確認していきます。