厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の男女全体の平均月額は国民年金で5万7584円、厚生年金で14万6429円です。
ただし、現役時代の年金加入状況によって実際の受給額には個人差が出ます。
たとえば、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しているのです。
年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の低所得となる場合には「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があることをご存じでしょうか。
1. 【6月支給分から2.7%増える】2025年度「年金生活者支援給付金」給付額はいくら?
公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない人を対象にした「年金生活者支援給付金」。
老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に設けられており、公的年金に上乗せして支給されます。
年金生活者支援給付金は、公的年金と同様に毎年度、物価変動に応じて給付額の見直しが行われます。
2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年より2.7%引き上げとなりました。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。保険料納付済期間が40年間(480ヵ月)に満たない場合、その分が差し引かれて支給されることに留意しておきましょう。
しかし、年金生活者支援給付金を受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。
次章では、どのような方が対象となるのかを確認してみましょう。