物価高が続く中、生活費を年金だけで賄うのは難しいと考える方は少なくありません。現在の年金制度を支えている現役世代でさえ、将来の年金に対し不安を感じているのが実情です。

受け取れる年金は多ければ多いほど嬉しいもの。年金支給日に年金を「46万円」受け取っている方もいらっしゃいますが、年金を46万円受け取れる夫婦は、いったいどんな世帯なのでしょうか。

本記事では、現在のシニア世代が受け取っている平均的な年金受給額について確認します。記事の後半では、年金の計算方法、職業別にいくら年金が受け取れるかについてもお伝えしますので、さっそくみていきましょう。

1. 6月13日に「46万円」が支給される標準夫婦ってどんな世帯?

次の年金支給日は6月13日です。「46万円」の年金が受け取れるとなれば、うらやましい気もしますが、「46万円」は2カ月分の年金です。つまり、1か月分の年金は「23万円」ということになります。

年金支給日に支払われる年金は、前月と前々月分の2カ月分が支払われる仕組みなので、受け取る金額自体は大きくなりますが、2カ月分の生活費として考えると十分な金額とは言えないかもしれません。

この「23万円」という金額は、夫婦2人分の標準的な年金額例(※令和7年度)として挙げられているものです。

  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)
  • 国民年金:6万9308円(1人分※1)
    ※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の国民年金(満額1人分)は月額6万9108円

上述の厚生年金の年金額の例は、以下の世帯を標準的なモデルとして計算されているのがポイントです。

  • 夫が平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

これは「40年間平均的な給与水準で会社勤めをした夫」と「専業主婦の妻」の夫婦2人世帯をモデルとした年金額の計算例であり、この額が23万2784円(※令和7年度)ということです。

つまり、年金を「46万円」受け取れる世帯は標準的な夫婦世帯と言えるでしょう。

冒頭でお伝えしたとおり、「46万円」と聞くと大きな金額に感じますが、世帯あたりの1カ月の生活費が「23万円」であれば、必ずしもそうとは言えないかもしれません。

では、現代のシニアは、いったいどのくらい年金を受けとっているのでしょうか。厚生労働省の資料より確認してみましょう。