5. 6月支給分から増額に…令和7年4月分からの年金額等について
2025年度になり、前述の「年金生活者支援給付金」だけでなく、公的年金も金額が変わりました。
ここでは、若い世代が知っておきたい「年金」の基本について、説明します。
5.1 Q 今年度、年金の支給額は変わりましたか?
→A 2025年度の年金額は、2024年度から原則1.9%引き上げられました。
年金額は、物価や賃金の変動に応じて、毎年見直される仕組みになっています。
物価が大きく上がっても、賃金の上昇がそれほどではない場合、年金の上がり方は、賃金の上昇率に合わせて調整されます。
これは、現役で働いている人たちの負担が大きくなりすぎないようにするためです。
つまり、年金額は経済状況に合わせて調整され、特に物価が高騰した場合には、現役世代の負担とのバランスを考慮して決められているのです。
6. まとめにかえて
今回は年金生活者支援給付金について詳しく解説しました。
昨今は物価高の影響などで生活コストが上がり、家計をやりくりするのが厳しいと訴える年金生活者は少なくありません。
そのため、このような給付金を受け取れるのは少ない年金で生活する高齢者にとって非常にありがたい話ですよね。
しかし、いくら給付金を受け取れるといっても今後も物価高が続けば、生活はもっと困ることでしょう。
そのため、現役世代の私たちは今後も物価高が続くかもしれない未来に備えて年金以外に頼れる老後資金を準備しておくことが大切です。
老後資金の準備方法はいろいろあります。
毎月コツコツと貯金するのも良いですし、NISAやiDeCoといった制度を活用して少額から積立投資を始めるも良し。
貯蓄型の保険商品を活用して運用するのもアリですし、まとまった資金がある方は債券などで運用するのも良いでしょう。
銀行に預金するのであれば元本が減るリスクはありませんが、投資する場合は元本が減るリスクがあります。
そのため、老後資金を準備する方法を決める際は「この方法で老後資金を準備する時にどんなリスクがあるか?」についてはしっかり把握し理解しておくよう気を付けましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
鶴田 綾