令和7（2025年）度、公的年金額は前年度より1.9%の増額改定となりました。
しかし、残念ながらマクロ経済スライドが3年連続で適用されたため、物価の上昇には追いつけず、実質的には目減りしているのが現状です。
将来の年金に対する不安の声が高まるなか、令和のシニア世代は実際にどの程度の年金を受け取れているのでしょうか。
この記事では、改めて公的年金制度の基本をおさえたあと、今回の年金改定内容や、60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上の各年齢の厚生年金と国民年金の平均受給額を、1歳刻みの一覧表にまとめました。
働き盛りの現役世代のみなさんが、将来設計をおこなう際のヒントになればと思います。
1. 【しくみ図で理解】公的年金は「国民年金＋厚生年金」の2階建て
日本の公的年金は「2階建て構造」と表現されます。これは、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
国民年金の加入対象は、原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人。年金保険料（※1）は全員一律です。一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料（※2）を納めます。
国民年金は、年金保険料を全期間（480月）納付すると、65歳で満額（※3）を受給できます。未納期間に応じて満額から差し引かれるルールです。
※1 国民年金保険料：2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額（上限65万円）、標準賞与額（上限150万円）に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額：2025年度は月額6万9308円
