株式市場の振り返り-日経平均株価は続落、材料難の中でハイテク株安が重石に
2018年11月16日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,680円(▲123円、▲0.6%) 続落
- TOPIX 1,629.3(▲9.6、▲0.6%) 続落
- 東証マザーズ総合指数 948.3(▲8.5、▲0.9%) 反落
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:607、値下がり銘柄数:1,442、変わらず:63
- 値上がり業種数:9、値下がり業種数:24
- 年初来高値更新銘柄数:14、年初来安値更新銘柄数:165
東証1部の出来高は14億2,466万株、売買代金は2兆5,593億円(概算)となりました。出来高は前日より減りましたが、売買代金は増加しています。決算発表も一巡したことで手掛かり不足感が強まり、模様眺めムードとなりました。しかし、米国の半導体企業の株価急落を切っ掛けに日本の関連銘柄を売る動きが一気に強まり、結果的には、売買代金は2兆5,000億円を超えています。
そのような中、日経平均株価は冴えない値動きとなりました。NY市場の反発を好感して、寄り付き直後は一時+70円高となりましたが、その後は前述した米国の半導体企業の株価急落を受けて売りが優勢となりました。後場の半ばには一時▲140円安となる場面も見られ、結局は最後まで大きな戻しもなく続落で引けています。ちなみに、終値の21,700円割れは11月1日以来となりました。
なお、TOPIXも同じような値動きで続落となっています。
東証マザーズ総合指数は反落、売買代金は5日連続で1,000億円割れ
東証マザーズの出来高は5,924万株、売買代金は869億円となり、いずれも前日より減少しました。先週は回復感が見られていた個人投資家の物色意欲が減退し、売買代金は5日連続で1,000億円を割り込んでいます。
また、総合指数も反落となり、1,000ポイント回復が再び遠のいた形です。1,000ポイント回復を目指すには、引き続き個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。
任天堂が一時▲10%超安の暴落、アドバンテストなど半導体関連株は総崩れ
個別銘柄では、株価急落となった米国半導体企業に関連した任天堂(7974)が一時▲10%超安の暴落となって年初来安値を更新し、ソフトバンクグループ(9984)も一時▲4%安に迫る大幅下落となりました。
また、アドバンテスト(6857)、ルネサスエレクトロニクス(6723)、SUMCO(3436)、東京エレクトロン(8035)、村田製作所(6981)、ローム(6963)など半導体関連株や電子部品株が軒並み急落となっています。
その他では、オイルダンパーの新たな不適切検査行為が発表されたKYB(7242)が一時▲11%安に迫る暴落となり、前日に爆騰したスルガ銀行(8358)やTATERU(1435)、レオパレス21(8848)など一連の不祥事銘柄が揃って急落となったことが目を引きました。
さらに、自動車株ではSUBARU(7270)が年初来安値更新となっています。
一方、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が年初来高値を更新し、ファーストリテイリング(9983)も堅調に推移しました。
また、ディフェンシブ銘柄としてテルモ(4543)、中外製薬(4519)、大日本住友製薬(4506)など医薬品株の一角が買われ、東京電力ホールディングス(9501)は3日連続で年初来高値を更新しています(終値は下落)。
新興市場では、サンバイオ(4592)が再び急騰して、時価総額が最大のメルカリ(4385)に迫ってきました。そのメルカリは大幅続落となり、終値で公開価格(3,000円)を大きく割り込んだままになっています。その他では、前日にストップ安となった中村超硬(6166)が大幅続落となったことが目を引きました。
葛西 裕一