3. 年金を増やす5つの方法!老後の安心に役立つ制度や選択肢
ここからは、年金受給額を増やすための5つの方法を紹介します。
月20万円以上を目指すというわけではなくても、将来少しでも多く年金を受け取りたいと考える方にとって、参考になる内容です。
実践可能なものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。
3.1 年金を増やす方法1:国民年金に任意で加入する
国民年金の加入期間は、原則として20歳から60歳未満の40年間で、この期間に未納や未加入の期間があると、老齢基礎年金の受給額が減ってしまいます。
そのため、追納が難しい場合や40年に満たないケースでは、任意加入制度を活用するのも一つの選択肢です。
ただし、任意加入には一定の条件がありますので、事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
3.2 年金を増やす方法2:付加年金でプラスαの年金を上乗せ
付加年金を活用することでも、将来受け取る年金額を増やすことができます。
この制度は、国民年金のみに加入している人を対象としたもので、月額400円を追加で納付することで、「200円×付加保険料の納付月数」に相当する額が老齢基礎年金に加算されます。
たとえば、60歳から65歳までの5年間付加年金に加入すれば、老齢年金は年間で約1万2000円増える計算になります。
3.3 年金を増やす方法3:60歳以降も働いて厚生年金を上乗せ
60歳以降も就労し、厚生年金保険料を納め続けることで、将来の年金受給額はさらに増やすことができます。
厚生年金の保険料は、原則として70歳まで納付が可能です。
体力や健康に問題がなければ、働き続けることも一つの選択肢として検討してみるとよいでしょう。
3.4 年金を増やす方法4:年金の繰り下げ受給で月額アップ
年金額を増やす方法の一つに、「繰り下げ受給」を選ぶという手段があります。
本来は65歳から受け取れる年金の開始時期を、66歳以降に先延ばしすることで、受給額が増加します。
ただし、その間の生活費の確保が必要になるほか、繰り下げによって本当に得になるかどうかは個人の状況によって異なるため、慎重な判断が求められます。
3.5 年金を増やす方法5:国民年金基金への加入で将来の年金額に差をつける
国民年金のみに加入している方であれば、「国民年金基金」に加入することも、将来の年金を増やす手段の一つです。
国民年金基金は、毎月一定の掛金を支払い、老後に年金として受け取れる私的年金制度です。
ただし、この制度は付加年金と併用することができません。
加入を検討する際は、どちらを選ぶかを事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
4. 【まとめ】今の年金額を知ることが、将来の備えの第一歩
今回は月額20万円以上の年金が支給される方の割合について見てきました。
国民年金と厚生年金の両方を受け取れる方の平均年金月額は14万6429円と月額20万円を下回っています。
ひと月に20万円の年金を受け取ることもできないのかと落胆した方もいらっしゃるかもしれませんが、老後にかかるひと月の生活費は人それぞれ異なります。
年金が15万円ほどあれば生活できるから大丈夫と考える方も中にはいるでしょう。
しかし、ひと月に受け取れる年金が15万円ほどだと、とてもじゃないけど生活ができそうにないという方は、今のうちから老後に向けて何かしら対策をとる必要があります。
記事内でお伝えした、年金を増やすための方法を活用して老後に受け取れる年金額を増やすのも良いでしょう。
また、年金とは別に老後資金を今のうちから準備するのもアリです。
貯金で老後資金をコツコツ準備するのも良いですし、NISAやiDeCo、個人年金保険などの貯蓄型保険を活用して老後資金を準備するのも良いでしょう。
年金だけで老後生活を迎えるのに不安がある方は、現役時代の今のうちから自分に合った方法で老後を迎えるための備え・対策を始めましょう。
参考資料
鶴田 綾