クラレ、3Qは増収減益 原燃料高によるコスト増や米国工場の火災などが影響

2018年11月8日に行われた、株式会社クラレ2018年12月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社クラレ 常務執行役員/経営企画室担当/CSR本部担当 多賀敬治 氏

2018年度3Q実績

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多賀敬治氏:みなさん、こんにちは。経営企画室を担当しております多賀でございます。本日はお忙しいところ、当社のカンファレンスコールにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。早速ですが、2018年度第3四半期の決算説明をはじめさせていただきます。

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2ページ目をご覧ください。2018年度第3四半期の業績は、売上高は4,499億円で、前年同期と比べまして18.5パーセントの増。営業利益は572億円で、2パーセントの減。経常利益は548億円で、4パーセントの減。純利益は351億円で、6.5パーセントの減ということで、トータルでは前年同期比で増収減益となりました。

前年同期比では、Calgon Carbon社が連結に加わったことや、多くの事業で数量を伸ばしたことで増収となりましたが、原燃料高によるコストアップ影響や、5月に発生しました米国のエバール工場の火災によるデボトル工事の遅延の影響を受けて、利益は減益となりました。

なお、今期より棚卸資産の評価方法を先入先出法に統一しておりますため、前年同期の実績には、これらの変更を遡及して適用しております。

ビニルアセテートセグメントの概要

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3ページ目をお願いします。ここからは、セグメント別に事業の状況を説明いたします。まずビニールアセテートセグメントでございます。当セグメントの第3四半期は、前年同期比で増収減益となりました。2018年度第1四半期より有形固定資産の減価償却方法と、耐用年数及び全社共通費の配布方法の変更を行いましたため、当セグメントの営業利益はマイナスの影響を受けております。

また、第2四半期時点の通期計画から、利益を約5億円下方修正しております。これは、米国のエバール工場の定修と火災の影響によるものでございます。

下期の計画時点で、10億円弱の減益要因を織り込んでおりましたが、デボトルを行ったメインラインの再立ち上げが想定より遅れましたことから、さらに20億円の減益影響を織り込み、下期トータルでは約30億円ほどの減益を見込んでおります。

一方で、光学用ポバールフィルムや、ポバール樹脂、PVBフィルムのプラス影響も見込んでおりますので、トータルでは5億円の下方修正に留まっております。

イソプレンセグメントの概要

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次に4ページ目をお願いします。イソプレンセグメントの第3四半期は、前年同期比で増収微減益となりました。当セグメントでは第2四半期時点の通期計画から、売上のみ若干の下方修正を加えております。

事業別ではファインケミカル、セプトン、液状ゴムはいずれも数量が伸長いたしましたが、原燃料価格上昇の影響を受けました。

ジェネスタは、自動車用途、コネクタ用途を中心に販売が拡大しましたが、同様に原燃料価格上昇の影響を受けたかたちです。

機能材料セグメントの概要

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次に5ページ目をご覧ください。ここは機能材料セグメントでございます。当セグメントの第3四半期の実績には、Calgon Carbon社の業績が含まれておりますので、前年同期比で増収増益となりました。

また第2四半期時点の通期計画から売上・利益とも上方修正しております。これは、メタクリルの好市況継続と価格調整を見込んでいるためでございます。

メタクリルは好市況の継続に加えまして、高付加価値品の販売が拡大し、順調に推移いたしました。

メディカルは、歯科材料のジルコニア系商品の拡充が進みました。炭素材料は、汎用用途の販売量が減少しましたが、カルゴン・カーボンは、米国を中心に販売量が増加いたしました。

繊維セグメントの概要

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次に6ページ目をお願いします。繊維セグメントの第3四半期は、前年同期比で減収減益となりました。また第2四半期時点の通期計画から、売上のみ下方修正を加えております。

クラリーノは、スポーツシューズ向け出荷が減少しましたが、ラグジュアリー商品用途で販売が拡大しました。

ビニロンは、原燃料価格上昇の影響を受けました。一方、生活資材はコスメティック用途など、高付加価値製品の販売が拡大しました。

セグメント別売上高・営業利益

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次に、7ページ目をご覧ください。このスライドは、各セグメントの第3四半期の実績と、前年同期の比較を一覧にしたものでございます。参考までにご覧ください。

18年度3Q営業利益増減分析

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続きまして8ページ目に移ります。このスライドは、2018年度第3四半期の営業利益の増減を、前年対比で示したものでございます。

まず、数量・操業度につきましては、Calgon Carbon社の新規連結影響の他、光学用ポバールフィルム・PVBフィルム・水溶性ポバールフィルム・ジェネスタなどの販売量増加によりまして、185億円の増益影響になりました。

次に交易条件です。為替はユーロが進んだ影響で増益に働きましたが、一方、原燃料コスト上昇の影響を受け、トータルでは25億円の減益となりました。

経費その他につきまして、これも主にCalgon Carbon社の連結影響によるものですが、その他技術アップのランニングコスト、研究開発費・人件費などの増により、全体で172億円の増加となりました。

貸借対照表①(資産の部)

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続きまして9ページ目をお願いします。このスライドでは、貸借対照表の試算の部を、昨年末と比較してお示ししております。

流動資産は387億円増加しておりますが、この内訳は棚卸資産の増が259億円、受取手形及び売掛金の増が169億円などとなります。こちらも主にCalgon Carbon社の新規連結が影響しております。

棚卸資産は、主に原燃料のコストの上昇、為替の円安の影響に加えまして、下期に定修を実施する事業の、定修前の生産増などによって、2018年度9月末の対比では88億円の増加となっております。

固定資産は1,429億円増加しておりますが、この内訳は同じくCalgon Carbon社の新規連結に伴う有形固定資産の増が555億円。さらに、暫定のれん代を含む無形固定資産の増である869億円が主なものとなっております。

貸借対照表②(負債の部)

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10ページ目をお願いします。このスライドでは、貸借対照表の負債・純資産の部を示しております。流動資産の416億円の増は、Calgon Carbon社の買収に伴う短期借入金の増である388億円が主なものです。

固定負債は、主にCalgon Carbon社の買収で発生しました短期融資を長期に切り替えたため、長期借入金が779億円の増、及び社債が400億円増えまして、トータルでは1,242億円の増となりました。

純資産につきましては、第2四半期に約37億円の自己株式を取得した影響もございますが、利益剰余金が217億円増加し、トータルでは157億円の増となりました。

セグメント別売上高・営業利益

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続きまして11ページ目でございます。このスライドでは、2018年度のセグメント別の業績予想を、遡及適用後の2017年度との対比で示しております。なお、全社の年度業績予想は決算短信に記載しておりますとおり、前回のご報告からの変更はございません。

ビニールアセテートセグメントにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、固定資産の償却方法と間接配賦方法の変更によるマイナス影響、さらに、米国エバールの定修及び火災の影響を受けて減益を見込みますが、会計方針の変更の影響を除く実質のベースで比較しますと、順調な事業がカバーし、増益となります。

イソプレンセグメントは、エラストマー・ジェネスタの販売増により、増収を見込みますが、原燃料価格上昇の影響を受けて、利益はほぼ横ばいと見込んでおります。

機能材料セグメントは、Calgon Carbon社の新規連結によって売上高を通期予想に反映しておりますが、のれん代の確定を今年度末に予定しておりますことから、現時点では不確定要素が多く、前回の説明と同様に営業利益への連結影響については見込んでおりません。

利益につきましては、既存事業の中のメタクリルがとくに順調でございまして、前年同期比で増収増益を見込んでおります。

繊維セグメントは、生活資材は不織布・クラフレックスの高付加価値製品の販売が拡大し、クラリーノも数量を伸ばしていますが、ビニロンが原燃料価格上昇の影響を受けるため、微減収減益を見込んでおります。

トレーディングセグメントにつきましては、アジアでのビジネス拡大などで増収増益となる見込みでございます。

【ご参考】セグメント別売上高予想

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12ページ目をご覧ください。このスライドは参考としまして、セグメント別の売上高予想を、前年度との対比でお示ししております。

【ご参考】セグメント別営業利益予想

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最後に13ページをご覧ください。これも同様にご参考として、セグメント別の営業利益を前年度との対比で示しております。

以上で説明を終わります。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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