2. 日本の国民負担率は世界で比較すると高い?

日本の国民負担率は、世界各国と比べると高いのでしょうか。OECD(経済協力開発機構)に加入する36ヵ国の2022年度の国民負担率を確かめてみましょう。

《日本》

  • 国民負担率:48.4%(24位)
  • 租税負担率:29.4%(27位)
  • 社会保障負担率:19.0%(10位)

上表のとおり、日本の国民負担率は36ヵ国中24番目であり、世界レベルで見ると決して負担割合が高いとはいえません。国民負担率の内訳は租税負担率が29.4%、社会保障負担率が19.0%です。とくに社会保障負担率は36ヵ国中10位となっており、負担率上昇の要因となっているようです。

日本より上位で主要な国には、フランスやイタリア、ドイツ、イギリスなどがあります。1位はルクセンブルクで、国民負担率が89.4%と36ヵ国の中でも群を抜いて高い数字です。しかしルクセンブルクはGDPも886億ドル、1人あたりGDPは13.1万ドルと高く、国が十分な経済力を有しているがゆえの高負担といえるでしょう。

世界においては、日本は国民負担率が比較的低い国に分類されます。しかし、私たちの生活は苦しいままです。なぜ日本は国民負担率の割に厳しい経済状況に置かれているのでしょうか。次章で解説します。