3. リスクを取りたくない方におすすめの個人向け国債

一般的に、高齢になるほどリスクを取った運用は控えたほうがよい、といわれています。

長期的な運用期間を確保できず、損失が出たときに回復を待つ余裕がない可能性があるためです。

そのため、高齢者の方はリスクを抑えて運用することが求められます。数ある金融商品の中でも、高齢者の方に向いている金融商品が「個人向け国債」です。

個人向け国債とは、政府が発行している国債です。満期時には元本が償還され、半年ごとに利子が支払われます。経済環境の変化により実勢金利が変動しても、元本部分の価格は変動しないため、安心して保有できます。

個人向け国債

個人向け国債

出所:財務省「個人向け国債」

銀行の普通預金よりも高い金利が適用され、また元本が確保されている点が特徴です。

「普通預金金利よりも高い利息を得つつ、安全に運用したい」と考えている方に適しています。

個人向け国債は毎月発行されており、1万円から購入できます。

証券会社や銀行などの窓口で購入できるため、購入のハードルが低い点も魅力です。

個人向け国債には「固定3年」「固定5年」「変動10年」の3種類があります。

「変動10年」は実勢金利に応じて半年ごとに適用利率が変わるため、受け取れる利子が増えることもあります。

昨今のように金利が上昇している局面において、有利な金融商品といえるでしょう。

高齢期における安全な資産運用の方法として、検討してみてください。

4. まとめにかえて

リスクを抑えつつ、預貯金以上のリターンを求める場合に有力な選択肢となるのが、個人向け国債です。

政府が発行しており安全性に優れているため、大きなリスクを取りづらい高齢期において有効活用できるでしょう。

1万円から購入でき、購入後1年が経過すれば1万円単位で解約できます。

ある程度の流動性もあるため、何かと現金が必要になる老後生活において、活用しやすい金融商品といえます。

参考資料

柴田 充輝