6. 【9月に送付】対象者には年金に上乗せされる給付金とは?
年金にまつわる給付金として、年金生活者支援給付金をご存知でしょうか。年金生活者支援給付金は3つありますが、そのうち老齢年金生活者支援給付金対象となるのは以下の要件を満たした方です。
6.1 「老齢年金生活者支援給付金」の対象者
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下
老齢年金生活者支援給付金の判定に障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
また「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生じないように、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」は「補足的老齢年金生活者支援給付金(※)」の支給対象となります。
※補足的老齢年金生活者支援給付金
1956(昭和31)年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、1956年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。
2025年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から2.7%の引き上げとなっています。
【2025年度】
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。
支給日には2カ月分まとめて年金に上乗せされます。上記の金額通りを受給できる場合、1回の支給で約1万円、年額にすると約6万円になります。
なお、新たに支給対象となる人は9月に請求書が送付されます。申請しないともらえないのでしっかりと申請をしましょう。
7. まとめにかえて
年金生活者支援給付金もあり、モノの値段が上がっていくこのご時世では、こういった給付金制度は助けになりますね。
しかし、給付金額を見ると物価上昇などを考えれば十分とは言い難いものとなっております。現役時代から老後に備えた対策は必要でしょう。
それぞれできることから少しずつでもインフレ対策をしていくことが大切です。
出費を減らすことももちろんですが、今ある資金を増やすことも考えていかないといけません。
NISAやiDeCoなど自分に合った方法を見つけて対策していきたいですね。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
川勝 隆登