物価上昇が続いていますが、現役世代においては老後に向けた資産形成も進めておきたいものです。
2025年4月30日、株式会社帝国データバンクが発表した「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年5月」によると、主要な食品メーカー195社における5月の飲食料品の値上げは478品目です。
ハムやソーセージなどの加工食品、調味料、酒類・飲料の値上げが中心となりました。
日々の食費に直結する値上げが続き、貯蓄にまわす余裕がなくなってきた世帯は少なくないでしょう。
「老後は、年金があるから無理して貯蓄をしなくても…」と考える人もいるかもしれません。しかし、公的年金(国民年金・厚生年金)の受給額は個人差があり、年金収入だけで生活できない世帯も。
本記事では老齢年金の月額がどのくらいかを厚生労働省の資料をもとに確認していきます。
1. 2025年度「国民年金・厚生年金」は増額改定
公的年金額は物価や現役世代の賃金を考慮して、年度ごとに見直されるルールです。2025年度の年金額は、前年より1.9%引き上げとなりました。
1.1 2025年度「国民年金・厚生年金」の年金額は月額いくら?《例》
厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、モデル夫婦世帯(※1)は夫婦2人分で月額23万2784円。国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。
夫婦ともに国民年金(満額と仮定)を受け取る世帯の場合、2人分の合算額はひと月13万8616円となります。
では、改定された年金額となるのは、いつ支給される年金からでしょうか。
※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額