秋風が心地よい季節となりましたが、将来のお金について、漠然とした不安を抱える方も少なくないのではないでしょうか。特に、退職金や老後資金の使い道については、多くの方が悩みを抱えています。
今回は、最新の調査結果からみんなの退職金の使い道に関するリアルな声をご紹介します。さらに、60代の平均貯蓄額や平均年金額といった客観的なデータと照らし合わせながら、どうすれば安心して老後を迎えられるのか、具体的な資金計画のヒントを探っていきましょう。
1. 「いまのシニア」退職金の使い道について《失敗談・成功談》を聞いてみた!
近年、多くの人が退職金の使い道に不安や疑問を抱えているようです。2025年9月3日、株式会社400Fが公表した「オカネコ 退職金に関する調査」で退職金の使い道への不安や疑問、失敗談や成功談に関するリアルな調査結果を見ていきましょう。
1.1 「退職金の使い道」どんなことに不安や疑問を感じる?
調査では、回答者の過半数(53.3%)が退職金の使い道に不安や疑問を抱えており、具体的には以下のような項目が挙げられています。
- 老後資金として足りるか不安:54.5%
- 投資や運用で損をしてしまわないか:25.2%
- 何から手をつければいいかわからない:14.1%
- 貯金以外の選択肢がわからない:13.6%
- 親族の贈与や相続について知りたい:9.1%
- その他:17.8%
「老後資金として足りるか」「運用に失敗しないか」など、退職金の具体的な活用に対して、多くの人が不安を抱いていることがわかりました。
1.2 「退職金の使い道で失敗した!」と感じたこととは?
失敗談として特に目立つのは、「現金で放置してしまった」ことや「一人で判断してしまった」ことです。
- 退職金を現金で放置してしまった(運用せずに目減りした):20.5%
- 専門家に相談せず、一人で判断してしまった:17.3%
- 老後資金として残す分を決めず、生活費で使い過ぎてしまった:15.0%
- 銀行や証券会社の勧められるままに商品を購入し、運用がうまくいかなかった:13.4%
- 高額なローンやリフォーム費用に充て、手元資金が減ってしまった:10.2%
- 家族への贈与・援助で、計画外に多くの資金を使ってしまった:7.1%
- 焦って高額な金融商品を契約し、後悔した:6.3%
- 友人・知人から勧められた投資話に乗ってしまい、損失を出した:3.1%
- その他:7.1%
安易な判断や、事前の計画を怠ったことが後悔につながる大きな要因となっています。
1.3 「退職金の有効活用」早めの行動がポイント
一方で、退職金の有効活用に成功した人々には共通点がありました。それは「早めの行動」です。成功談としては下記のような回答が挙げられています。
- 退職金を受け取る前から投資を始めた:23.9%
- 退職後の具体的な収支シミュレーションを行った:18.2%
- 退職金を受け取る前に、書籍やインターネットで情報収集をした」17.0%
- 余裕資金で趣味や旅行を楽しんだ:15.0%
- 夫婦で老後のライフプランやお金について話し合った:10.5%
- 専門家(FPなど)に相談し、事前に計画を立てた:8.1%
- 親族への援助や贈与を計画的に行った:4.0%
- その他:3.2%
退職前から事前に準備をして具体的なアクションをはじめていたことが、成功談に共通する「カギ」となっているようですね。
調査概要
- 調査名:オカネコ 退職金に関する調査
- 調査方法:WEBアンケート
- 調査期間:2025年8月23日(土)~2025年8月24 日(日)
- 回答者:自身、または身近な家族や友人で退職金を受け取った経験、または今後受け取る予定のある全国の『オカネコ』ユーザー242人
- 回答者の年齢:30代以下10.4%、40代26.0%、50代32.2%、60代以上31.4%
退職金の使い道は、その後の生活を大きく左右するため、計画的な準備が非常に重要です。しかし、退職金だけでは老後の生活が本当に足りるのか、不安に思う方もいるかもしれません。
次章では、実際に現在のシニア世代が受給している年金月額について詳しく見ていきましょう。