3.3 退職金は民間企業と国家公務員でどれくらい差が出る?
前提として退職金制度の有無や内容は民間企業によって異なるため、国家公務員との退職金の差を正確に比較することは困難です。
そこで本記事では、内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」と厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」の資料を単純に比較することでどのくらいの差が生じているのか言及していきます。
あくまで参考程度にしてみてください。
以下、勤続年数が同じ期間での退職平均支給額の比較です。
【勤続年数20〜24年】
- 国家公務員の退職平均支給額:1257万5000円
- 民間企業(大学・大学院卒)の退職平均支給額:1021万円
【勤続年数25〜29年】
- 国家公務員の退職平均支給額:1599万3000円
- 民間企業(大学・大学院卒)の退職平均支給額:1559万円
【勤続年数30〜34年】
- 国家公務員の退職平均支給額:2001万7000円
- 民間企業(大学・大学院卒)の退職平均支給額:1891万円
勤続年数25〜29年では大きな差はなかったものの、それ以外の期間ではおおよそ200万円前後の差が確認できました。
なお、今回は民間企業の大学・大学院卒を比較対象としているため、実際には退職金額により大きな差が生じていると予想されます。
4. まとめにかえて
本記事では、定年退職した場合に国家公務員と民間企業でどのくらいの差が生じるのかを中心に解説しました。
正確な比較にはならなかったものの、記載している資料をもとに比べてみると同じ勤続年数で200万円前後の差がありました。
また、高校卒を含む全体の平均ではより大きな差が生じていると予想されます。
将来、まとまった退職金を期待できない場合は、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった制度を活用して老後の備えを整えておくことが大切です。
参考資料
- 人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」
- 人事院「第1編 人事行政」
- 人事院「第3章 定年後の収入と支出」
- 人事院「1 退職手当制度の概要」
- 厚生労働省「-令和2年雇用動向調査結果の概況-」
- 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」
- 内閣官房「令和5年度 民間企業における退職給付制度の状況等に関する調査研究 報告書」
- 内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」
湯田 浩平