2018年10月12日に行われた、株式会社松屋2019年2月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:株式会社松屋 代表取締役専務執行役員 帯刀保憲 氏
株式会社松屋 取締役常務執行役員 横関直樹 氏
株式会社松屋 代表取締役社長執行役員 秋田正紀 氏
平成31年2月期 第2四半期損益概要(連結)
帯刀保憲氏:専務の帯刀でございます。それでは平成31年2月期第2四半期の決算内容についてご説明申し上げます。お手元の資料並びに正面のスクリーンをご覧いただければと思います。
まず、連結決算の概要からご説明申し上げます。当第2四半期の売上高は主力の百貨店業が全体を牽引し、前年同期比プラス4.9パーセントの447億4,500万円と増収になりました。一方、売上総利益はマイナス0.3パーセントの減益となりました。
販管費につきましては、マイナス0.3パーセントと削減に努め、その結果、営業利益はプラス0.8パーセントの5億6,700万円。経常利益はプラス3.4パーセントの5億8,200万円。四半期純利益は前年と比較しまして、特別損失が減少したこと等により、プラス71.1パーセントの4億4,100万円と増益になりました。
平成31年2月期 第2四半期 財政状態及びキャッシュ・フロー(連結)
次に連結の財政状態でございますが、総資産は前期末と比較し21億7,800万円減少しました。これは主に百貨店業において、受取手形及び売掛金が減少したこと等によるものでございます。純資産は前期末と比較し5億3,200万円増加しました。その結果、自己資本比率は2.1パーセント上昇し、35.3パーセントとなりました。有利子負債は営業キャッシュ・フローを元に削減を推し進めた結果、18億1,000万円減少し、199億9,900万円となりました。
キャッシュ・フローにつきましては、営業キャッシュフローは19億4,200万円の収入。投資キャッシュ・フローは百貨店業における改装工事やシステム投資を中心とした固定資産の取得等により、2億2,000万円の支出。財務キャッシュ・フローは借入金の返済等により、20億3,500万円の支出となりました。
店舗別売上高
セグメント別の売上高、営業利益についてご説明申し上げます。百貨店業につきましては、店舗別の売上高からご説明申し上げます。
銀座店は顧客とのコミュニケーション強化のための販促策、また「コト提案」の強化としての文化催事の積極的な展開等により、集客と売上向上に尽力した結果、国内のお客様に対する売上は前年実績を上回りました。また、訪日外国人のお客様による免税売上高も、訪日外国人の来店増加に化粧品やラグジュアリーブランドが引き続き好調に推移し、前年実績を上回りました。
この結果、銀座店は前年同期比プラス8.3パーセントの376億2,000万円となりました。一方、浅草店は食料品が苦戦したこと、それから、前年は制服の特注がありましたが、それがなかったことにより、マイナス4.0パーセントの27億3,200万円。両店計では403億5,200万円になりました。客単価につきましては、銀座店、浅草店ともに前年を上回りました。また入店客数も各種販促策や訪日外国人の来店増などにより、銀座店、浅草店ともに前年を上回りました。
セグメント別売上高・営業利益
以上のように百貨店業はプラス7.4パーセントの増収となり、営業利益もプラス40.4パーセントの7億2,900万円と増益になりました。飲食業は主力の婚礼宴会部門において、婚礼組数が前年実績を下回ったこと、また私どもの事業所の中央会館が全館改装工事のため休館をしたことから、原価や販売管理費は前年と比較して削減できたものの、減収減益となりました。
ビル総合サービス及び広告業は、宣伝装飾部門における受注が好調に推移しましたが、エンジニアリング部門の売上が前年を下回ったことから、減収減益となりました。輸入商品販売業は主力のブランド「iittala(イッタラ)」について、取引先との商品供給契約が終了した影響により、売上高が前年実績を大きく下回ったこと等から減収減益となりました。決算の説明の概要は以上でございます。
小売市場の動向
横関直樹氏:営業本部長の横関でございます。松屋単体の上期の営業概況についてご説明をさせていただきます。まずは小売業の動向について、簡単に触れさせていただきます。2018年上半期は個人消費が回復基調にあるものの、記録的な猛暑や豪雨、また台風などの天候要因により、小売業販売額はプラス1.5パーセント、スーパーはプラス0.8パーセント、コンビニはプラス1.8パーセントの中、百貨店売上高は衣料品が振るわず7月、8月と2ヶ月連続してマイナスとなり、前年を下回りました。
地区別では地方がマイナスになった一方で、都市部はプラス1.4パーセント、東京地区はプラス1.1パーセントという結果になっております。
都内地区別の商況
こちらは2018年上半期の都内百貨店の地区別の商況でございます。東京地区全体では1.1パーセントの伸び率。銀座地区は新宿地区を抜き、都内で最も高い8.1パーセントの伸びとなりました。これは訪日外国人需要の高さが影響しているものと思われます。
銀座地区の各店の商況でございます。こちらについてはお手元の資料に入っておりません。当上半期、松屋は訪日外国人需要の伸びとともに、化粧品などの雑貨、または身廻品、衣料品などのファッションアイテムが好調に推移したことにより、前年の上半期に対し8.3パーセント売上が上がりました。
商品別売上高(銀座店)
こちらは当上半期の商品別売上高でございます。棒グラフは前年の実績比でございます。化粧品を含む雑貨がプラスの24.6パーセントと、今期最も大きく売上を伸ばしました。衣料品、身廻品も前年を超え、都内全般と比較しまして好調な結果となっております。後ほどご説明いたしますが、免税売上においても化粧品は好調に売上を伸ばしております。
また、女性の就業人口が増える中、化粧品の需要は国内でもさらに伸びるものと思われます。今後は国内のお客様に向けても、旬のMDを導入するなど、さらなる強化に努めてまいります。
銀座店 上半期推移
2011年上半期を1とした指数で、銀座店の上半期売上高の推移をご覧いただきます。今上期の売上高は、爆買い需要がありました2015年を上回っております。こちらは買上数、客単価の指数ですが、継続した買上数の伸びに加え、客単価も前年、前々年に対して順調に伸びております。
銀座店 店頭売上高(免税除外)
免税を除いた国内顧客の売上高を見ても、2016年度はわずかに前年を下回ったものの、今上期も102パーセントと前年を上回っております。
これはリニューアルの効果や顧客政策、シーズンプロモーションなどの集客施策により、免税による売上増だけではなく、国内のお客様への施策に注力した結果でございます。
顧客とのコミュニケーションの強化
その国内顧客で固定客となっていただいている「松屋カード」会員様の実績でございます。今上半期は、前年に10周年キャンペーンで大きく増加した会員様に対し、継続して施策を打ちました。その結果、会員数で前年に対して2パーセントのプラス。買上額では6パーセントのプラスでした。とくに、インターナショナル雑貨ゾーンや婦人衣料、紳士衣料、雑貨のゾーンで大きく伸ばすことができております。
顧客とのコミュニケーションの強化 11
継続した施策のうち、新たな施策を2つ、ご紹介いたします。まず、今上期より阪急メンズ東京との相互送客に取り組んでおります。関西に拠点を置く阪急百貨店のカードをお持ちのお客様に、松屋へのご来店を案内いただき、阪急メンズ東京へは、松屋のお客様をご案内することで、お互いに新客獲得のメリットを創出するのが目的でございます。
阪急メンズ東京のお客様のお買上げ単価は、松屋全店のお買上単価の1.4倍という結果が出ており、松屋の新たなファンづくりに向けて、今後積極的に相互送客を行っていきます。
顧客とのコミュニケーションの強化
2つ目として、大手企業にお勤めの管理職や医師、弁護士など、社会の第一線で活躍される女性に向けて、プロのスタイリストが服装選びのアドバイスやサポートをするサービスをスタートしております。
忙しい女性エグゼクティブが予約しやすいよう、Web予約システムを使い、スタイリストによるカウンセリングとともに、ブランドの垣根を超えて一緒に店内を回りながら、最適なコーディネートをアドバイスします。その結果、このサービスを受けられた方の客単価は、通常の外商会員のお客様と比べても3倍となっております。
顧客とのコミュニケーションの強化
継続的な取り組みとしては、外商以外の優良顧客へのアプローチも定期的に行っております。今上期は、人気デザイナーのオリジナルトートバックのプレゼント企画を、店長の名前入りのお手紙でお知らせし、大変ご好評をいただきました。お買上額も、前年対比で112パーセントと増加しました。当社では、3年連続で年間50万円以上お買上げのお客様を「VIC顧客」と呼んでいます。
そして、中期経営計画のスローガンである、松屋ファンを熱烈な松屋ファンに進化させる取り組みとして、特別なお客様に継続的に松屋にご来店、お買上げいただけるようなさまざまな取り組みを、引き続き実施してまいります。
顧客とのコミュニケーションの強化
また毎回ご紹介している施策ですが、半期に1度、松屋全館で開催している「お得意様ご招待会」は、外商のお客様のほか「松屋カード」をお持ちのお得意様をお呼びして、全館でイベントや抽選会を実施しています。
全社員が一丸となってお客様への感謝を表し、おもてなしをする1日と位置づけております。この9月に開催したご招待会でも、多彩なゲストによるトークショーの開催など、お得意様に大変ご好評をいただきました。
その結果、感謝祭の1日の売上としては、過去最高の売上を上げることができました。これは今回に限ったことではありませんが、当日に向けた準備として、秋冬の旬の素材を多く取り揃え、また、事前にお得意様一人ひとりに事前にお声がけするなど、綿密な準備が定着、功を奏したものです。
今後もこのようなお客様とのコミュニケーションを強化し、一般のお客様を松屋ファンに、既に松屋と関係の深いお客様には、さらに熱烈な松屋ファンになっていただくよう、さまざまな施策を行ってまいります。
免税売上高
一方、免税売上高につきましては、2018年度上半期は順調な伸びを示しました。日本政府観光局の発表では、日本を訪れた外国人は、2018年8月現在、暦年で前年同期比12.6パーセント増の2,131万人で、最も早いペースで2,000万人を超えております。この状況の中、今上期の免税売上高は、前年比でプラス28パーセントとなりました。
食品、化粧品などの消耗品が全体の25パーセントを占め、消耗品の売上高も前年に対してプラス47パーセントと大きく伸びました。全体の75パーセントを占めます一般品についても、前年に対して23パーセントのプラスとなっております。
免税売上高
商品別実績の構成比を2017年度上半期と比較しますと、化粧品の占める割合が全体の4分の1に迫る勢いで成長しているのが見てとれます。
免税売上高
こちらの(スライドの)表は、免税売上のうち、中国からのお客様とそれ以外の(国の)お客様の売上を示しています。シェアの高い中国からのお客様に対しては、銀聯(ぎんれい)国際との継続的なキャンペーンの実施や、中国大手銀行との送客提携策などを実施しております。また現在、東アジア、東南アジアを中心に、34の金融法人などと実施している送客プログラムをさらに強化します。それとともに、ビザの緩和などで昨年から大きく訪日客数を伸ばしておりますロシアからのお客様に対し、新たにロシア金融機関とも送客プログラムを実施していく予定でございます。
免税推移
こちらの(スライドの)グラフは、免税店の客単価を銀座店と百貨店の平均で比較したものでございます。訪日外国人は2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向け、年々増える傾向にあります。しかし、主力である中国のお客様は「コト消費」の拡大などにより、客単価は低下傾向にあります。その中で銀座店は立地の優位性もあり、平均客単価は百貨店の平均を1万円以上上回って推移しております。そして訪日外国人の増加とともに、買上数は継続して大きく増加しております。
免税売上高
こちら(のスライドのグラフ)は2013年度上半期を1とした、免税売上高の指標推移でございます。ご覧の通り、今上期については爆買い需要に沸いた2015年上期に迫る勢いで、免税売上高が伸びております。訪日外国人の売上については、外交や関税などの外部要因に影響される傾向が多いため楽観視はできません。そのためにも、銀座という好立地を活かして、金融機関などと送客策を講じることで、リピーターを含めた安定的な売上を確保します。
さらに今後、国内のお客様への施策を継続して実施していくことで、松屋ファンを増やし、熱烈な松屋ファンになっていただくよう、さらなる成長に向けて取り組みを継続してまいります。
以上で営業概況の説明を終わらせていただきます。
中期経営計画のビジョン
秋田正紀氏:社長の秋田でございます。次に、主に中期経営計画の進捗と今後の諸施策について説明させていただきます。
まず一昨年よりスタートさせました3ヶ年の中期経営計画について、改めてポイントを説明させていただきます。百貨店業の中では小さい当社が、強豪に打ち勝って持続的に成長していくためには、松屋ファンを増やし、さらにその関係性を深めて、お客様の中でも特別な存在になっていただくことが鍵だと考えています。
この中計では、とくに顧客政策に力を入れております。ビジョンには「銀座を極める150」を掲げ、「松屋と言えば銀座」から、さらに「銀座と言えば松屋」と言われるぐらい、強い存在感を示すことを目指しております。
中期経営計画の基本方針
その中心施策となります中計の基本方針は「松屋ファン」を「熱烈な松屋ファン」へ、と定めております。
銀座地区の環境変化
銀座地区の環境変化について説明させていただきます。ここ数年、画面(スライド)にもありますとおり、大型の商業施設が続々と開業してきました。加えて、オリンピックの開催に向けてホテルが相次いでオープンしております。さらに銀座の街並みも整備が始まっており、銀座地区の魅力、集客力は今後も確実に高まり、観光客は一層増えていくことが見込まれております。
中期経営計画の重点施策
このような環境の変化の中、当社は中期経営計画を定めました。(スライドに記載の)こちらが7つの重点施策で、これらに取り組むことで競争力の強化を図っております。
GINZAスペシャリティストアの実現
ここからは、これらの重点施策に沿って、取り組みをいくつか説明させていただきます。まず、街づくりと商品施策について説明させていただきます。先々の環境の変化を見据えて、計画的に店づくりを進めておりますが、この中計の期間中は、とくに施設の改善や休憩スペースの増設など、お客様がより過ごしやすい環境づくりや、安全性を高めるための改装を行ってまいりました。
併せて今期については、春から夏にかけて子供ゾーンを再編し、また9月には和洋菓子売り場の強化を図るなど、品揃えを一層充実させ、改装したゾーンの売上は順調に推移しております。
訪日外国人市場の獲得
昨今、銀座といえばインバウンド……すなわち海外からのお客様のことがすぐ話題になってしまいます。松屋としましては、日本のお客様のファンを増やすことが最も重要だと考えております。そして、この日本のお客様からご支持いただけることが、結果として海外からのお客様を引き付ける要因にもなります。
その上で、海外からのお客様も日本のお客様と同じように快適にお買い物していただけるように環境を整え、併せて、海外からのお客様を誘致するための施策に取り組み、免税売上の拡大を図っております。
訪日外国人市場の獲得
そのため、アジアを中心とした海外の大手金融法人や旅行会社などと提携するなどして、海外に情報を発信して来店を促進しております。その結果、提携企業の会員による売上は大幅に増加しており、免税売上の約3割をその会員が占めるまでになりました。また、環境の整備も進めており、訪日客の多い一部の売り場では、スマートフォンを使ったQRコード決済などを新たに導入することで、利便性の向上を図っております。
さらに、一度ご来店いただいた富裕層に限定して、再度の来店時から優待が受けられるようなチケットを発行したり、中国向けの越境ECサイトを開設するなどで、リピーターの獲得と囲い込みを図っております。
コト提案の強化~コンテンツ事業~
この中計期間中は、文化催事を中心とするコンテンツ事業の拡大に取り組んできており、上期も話題性の高いさまざまな展覧会を行ってきました。コンテンツ事業は売上の獲得のみならず、松屋の独自性をアピールでき、さらにテレビやSNSなどで取り上げられて情報が広がることで、松屋の宣伝と集客にも大きく寄与しております。
コト提案の強化~コンテンツ事業~
コンテンツ事業の売上は、上期で10億円を上回るまでに拡大しております。中でも他の百貨店や美術館などに出店して開催しています。こういった巡回展の売上を大きく伸ばしています。いわゆる「コト消費」に繋がるコンテンツ事業は、全国各地から開催の要望があり、この上期に大きく展開を拡大しました。
顧客とのコミュニケーション強化
顧客とのコミュニケーションの強化にも取り組んでおります。中でも、お客様を年間のお買上げ額などの基準で分類させていただき、それぞれのターゲットに向けて、画面(スライド)のようなさまざまな施策を行ってきました。お客様を増やして、さらに結びつきを深めていくことで、ファンの拡大を図っております。
顧客とのコミュニケーション強化
顧客とのコミュニケーションの強化を図る取り組みの施策の1つといたしまして、主に企業の役員や管理職の方々に、限定の特別なパターンオーダースーツを提供します。「MATSUYA MEN'S CLUB」という組織の会員になっていただき、コンサルティング販売を行っています。
顧客とのコミュニケーション強化
この「MATSUYA MEN'S CLUB」は、お客様に特別感と満足感を提供する「コト体験」として、末永く松屋をご愛顧いただくことに繋がってきております。この売上は、前期は1億円でしたが、今期は倍増させる計画です。今後は参加企業と会員数の拡大を図るとともに、取扱商品の数を大幅に広げて、さまざまな顧客ニーズへの対応を図っていきます。
またこの秋からは、女性のお客様に向けたパターンオーダースーツにも挑戦することで、女性の需要開拓にも着手しております。
顧客とのコミュニケーション強化
これまで百貨店は、主にマスのお客様をターゲットにすることが多かったのですが、この「MATSUYA MEN'S CLUB」のように、限定されたお客様にニーズを上回るご満足を提供していくことによって、熱烈な松屋ファンをつくり出すことを進めております。
今後も会員の方に、新たな提案、価値の高い商品、サービスなどをトータルにご提供していくことで、事業の一層の発展を目指していきます。
浅草店
浅草店は、2010年に上層階を返還して以降、営業利益ベースで数億円規模の改善が図られ、単店舗黒字を実現し、継続しております。収益性を重視した売場づくりやサービス機能の強化を図りつつ、半期に一度のお得意様イベントなどを通じて、顧客とのコミュニケーションの強化にも取り組んでおります。
アターブル松屋グループ(飲食業)
ここからは、グループ各社についてご説明申し上げます。「アターブル松屋グループ」は、コアビジネスへの選択と集中による事業基盤の確立に努めている途上です。レストラン事業の一部である食堂等の受託営業部門においては、原材料の調達、管理を見直したり、運営オペレーションの効率化にも取り組んだ結果、業績が改善しました。
一方、ブライダル事業につきましては、積極的に婚礼イベントに出展するなど、情報の発信と顧客の獲得に努めているところでございます。
シービーケー(ビル総合サービス及び広告業)
ビル総合サービス及び広告業の「シービーケー」では、松屋ブランドとのグループシナジーを活かした、営業力の強化と収益基盤の拡大に取り組んでおります。宣伝装飾の企画制作などを行うクリエイティブ部門では、松屋で培ってきました高いクオリティを活かすことで、今後も商業施設の装飾受注に取り組んでいきます。
一方、建装部門では、店舗デザインや内装工事をWebでマッチングするサービスを利用することで、新規物件の獲得を進めていきます。
スキャンデックス(輸入商品販売業)
輸入商品販売の「スキャンデックス」では、既に8月20日に開示したとおり、11月1日をもって事業の再編を行います。北欧からの商品輸入と、国内の物流業務を松屋に包含することで、松屋のノウハウと機能を有効活用していきます。
また松屋内の直営店は、松屋が自主営業していきます。一方、「スキャンデックス」は引き続き、他の百貨店への卸売りや直営店営業などに取り組んでいきます。
今まで北欧商品に特化してきました「スキャンデックス」の強みを活かして、ブランドの育成に努めていくことで事業を再生し、来期は黒字転換を図ります。
平成31年2月期 業績予想(連結)
平成31年2月期の通期の連結業績予想についてご説明いたします。主力の百貨店業の業績が想定以上に好調であることと、一方で子会社の業績が厳しいことなどを踏まえ、連結、単体とも期初の予想を修正いたしました。
売上高については、百貨店業における増収の見込みを反映し、プラス2.7パーセントの930億円と、従来予想の910億円から20億円上方修正いたしました。
一方、子会社の業績見込みなどを踏まえ、営業利益は20億円、経常利益は19億円と、従来予想より2億円下回ると見込んでおります。しかし、当期純利益は税金費用の減少などにより、従来予想どおり14億円の増益を見込んでおります。
平成31年2月期 業績予想(単体)
単体の業績予想です。売上高について、銀座店はプラス5.1パーセントの784億円。浅草店はマイナス2.3パーセントの56億円。両店合計ではプラス4.6パーセントの840億円と、従来予想より20億円上乗せしております。
また営業利益は22億円、経常利益は21億円、当期純利益は15億円と、単体においては従来予想より1億円から2億円上回る、増収増益を見込んでおります。
中期経営計画
中期経営計画では、最終年度である2018年度の連結営業利益目標を30億円に設定しております。当初と比べて利益率の高い衣料品の売上が厳しいことや、計画外の子会社「スキャンデックス」における主要取引先との契約終了などによって、先ほどご説明した業績予想からしますと高い目標になっております。
しかし、少しでもそこに近づけるべく、もっとも重要視してきました国内のお客様との関係強化を継続し、さらなる業績向上に努めてまいります。
次期中期経営計画(2019~2021年度)の方向性
最後になりますが、2019年度から始まる次期中期経営計画は、「デザインの松屋」という方向性をもって策定していきます。内容につきましては、次期中計において発表させていただきます。150周年を機に、区切りではなく、150周年からさらにその先を勝ち抜くための独自性を磨き上げたいと考えております。
ご説明は以上です。ご清聴、ありがとうございました。