株式市場の振り返り-日経平均株価は乱高下の末に続落、TOPIXは年初来安値更新
2018年10月26日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,184円(▲84円、▲0.4%) 続落
- TOPIX 1,596.0(▲4.9、▲0.3%) 続落
- 東証マザーズ総合指数 873.4(▲26.7、▲3.0%) 大幅5日続落
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:554、値下がり銘柄数:1,502、変わらず:54
- 値上がり業種数:14、値下がり業種数:19
- 年初来高値更新銘柄数:4、年初来安値更新銘柄数:774
東証1部の出来高は16億9,900万株、売買代金は3兆1,857億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国株(NYダウ、ナスダック指数等)の大幅反発を受けてリスクオンモードが再点灯した一方で、連日の急落に対する懸念も強く、一部の投げ売りも続いたようです。
結果的には、週末のポジション調整などもあり、売買代金は10月12日以来となる3兆円超となりました。
そのような中、日経平均株価は荒い値動きとなりました。寄り付き直後は一時+205円高となりましたが、その後は上げ幅を縮小して前引けはマイナス圏に沈みました。さらに、後場の寄り付き直後は一時▲296円安まで下落し、取引時間中としては約7カ月ぶりに21,000円を割り込む場面も見られています。
その後は再びプラス圏に浮上するなど切り返したものの、結局は続落で引けています。日中の値幅(高値と安値の差)は約502円となる荒い値動きでした。
なお、TOPIXも同じような値動きで続落となり、3日連続で年初来安値更新となりました。終値でも1,600ポイントを下回っています。
東証マザーズ総合指数は大幅安で5日続落、終値は約2年ぶりの安値水準
東証マザーズの出来高は6,818万株、売買代金は992億円となり、いずれも前日より増加しました。新興市場では前日に続き個人投資家の投げ売りが出たと推測されますが、それでも売買代金は11日連続で1,000億円を下回っています。
また、総合指数は▲3%安に迫る急落となって5日続落、終値は約2年ぶりの安値水準となりました。今後は引き続き、個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。
業績下方修正のキヤノンが急落、トヨタなど主力自動車株は概ね買い戻される
個別銘柄では、前日の決算発表で通期業績予想を下方修正したキヤノン(7751)が一時▲6%安の急落となり、年初来安値を更新しました。
また、ハイテク株が引き続き売られ、三菱電機(6503)、アドバンテスト(6857)、ルネサスエレクトロニクス(6723)などが年初来安値を更新しています。なお、日本電産(6594)も取引時間中に安値更新となりましたが、その後に買い戻されて終値は上昇しました。
さらに、機械株が売り込まれ、安川電機(6506)や日立建機(6305)が急落し、ファナック(6954)も大幅安で、いずれも年初来安値を付けたのが目を引きました。
その他では、スルガ銀行(8358)やKYB(7242)など不祥事銘柄も年初来安値更新となりました。
一方、ファーストリテイリング(9983)が大幅反発し、信越化学工業(4063)も買い戻されました。また、トヨタ自動車(7203)、スズキ(7269)、ホンダ(7267)など主力自動車株が総じて大幅反発しています。
その他では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など銀行株や、三井不動産(8801)など不動産株も買い戻されましたが、上昇は限定的でした。
新興市場では、そーせいグループ(4565)が6日連続の年初来安値更新となり、アンジェス(4563)も急落となりました。また、マネーフォワード(3994)が一時ストップ安まで売られる暴落となり、ソウルドアウト(6553)やドリコム(3793)も▲10%超安の暴落となっています。
なお、時価総額が最大のメルカリ(4385)は7日続落となり、公開価格(3,000円)を割り込んだままとなりました。
葛西 裕一