皆さんのご家庭でも、子どもたちがYouTubeに夢中になっている…なんてことはありませんか? それぞれ時間を制限したり、見る時間帯を決定したり、ルール作りに苦慮している方も多いことでしょう。それにつけても我々大人には理解ができません。ただおもちゃで遊んだり、ゲームをしているところを流し続けるだけのYouTube、何がおもしろいのでしょうか。

子どもたちに聞いた「YouTubeの魅力」

まず、子どもたちに「いったいYouTubeの何がおもしろいの?」とずばり聞いてみました。どんな答えが飛び出すのでしょうか?

  • 「なんか、ゲームやってるところを見ると、自分もやってるように思うから」(小学3年生の男の子)
  • 「自分に話してくれているみたいな感じで、嬉しい」(小学2年生の男の子)
  • 「私がほしいおもちゃやゲームで遊んでるから、いいな、と思うから」(小学1年生の女の子)
  • 「ちょっとお姉ちゃんくらいで、大人じゃないのに、テレビのタレントみたいに色々話せてかっこいいし、可愛いなって思う」(小学4年生の女の子)

なるほど、ただぼんやりと眺めているだけではないようです。自分より少しだけ年上のお姉ちゃんが、TVタレントよろしく流暢に話しているところに憧れを感じたり、自分が興味のあるゲームをプレイしているところを一緒になって楽しめたり。子どもを魅了するポイントは「臨場感」と「親近感」にあるのかもしれませんね。

職業として認知されているYouTuber

子どもたちの好きなタレントの1位に人気YouTuberのHIKAKINさんが選ばれたり、将来なりたい職業のランキングに、野球選手やサッカー選手と並んでYouTuberがランクインしたり、何かとびっくりさせられることが多いですよね。
しかし、子どもたちにとって、YouTuberとスポーツ選手が同等に並べられることは、決して不思議なことではないようです。

子どもたちの将来の夢の軸となっているのは「好きなことを仕事にすること」。その視点で考えれば、サッカーが好きな子どもが「将来サッカー選手になりたい」、野球が好きな子が「プロ野球選手になってひいきのチームで活躍したい」、お菓子が好きな子が「ケーキ屋さんになって可愛いスイーツをたくさん作りたい」と考えるのと同じように、YouTubeを見るのが好きな子が「YouTuberになって自分の好きなコンテンツを配信したい」と考えるのは、当然のことなのかもしれません。

子どもたちにとって、プロ野球選手やサッカー選手、アイドル歌手と同じくらい、YouTuberは「自分たちに夢を与えてくれる存在」なのでしょう。

よその家はどんなルールを作っているのか

とはいえ、中には過激なコンテンツや、子どもが見るのには不適切なコンテンツもたくさんあるのは事実。「なるべくYouTubeを見てほしくないなぁ」と考えるのも親心ではないでしょうか。そこで、小学生の子どもを持つ家庭で、YouTubeを見る際、どのようなルールを設けているのかリサーチしてみました。

  • 「視聴時間は1日30分。宿題と時間割が全部終わってから、と決めています」(小学3年生の男の子のママ)
  • 「YouTubeはスマホやタブレットではなく、テレビの画面で親と一緒に見ること、と決めています。頭ごなしにダメ、というのではなく、子どもがどんなものに興味を持っているのか一緒に見ることで、見てほしくないコンテンツの理由を子どもに話すことができますから」(小学2年生の女の子のママ)
  • 「制限をしてしまうと、子どもって余計に反発してあの手この手を使ってみようとするから、うちはあえて制限はしていません。その代わり、定期的に閲覧履歴をチェック。どのようなコンテンツを見ているのかを把握するようにしています」(小学6年生の女の子のママ)
  • 「あまりにYouTubeばかり見ていたので、一度禁止にしたんです。そしたら、学校で友人との会話には入れなかった、と泣いて抗議されました。親としては、じゃあYouTubeなんて見ていない友達と遊べよ、って思ったんですが、なかなかそうはいかないのかな、と。1日1番組だけOK、とルールを設けることにしました」(小学6年生の男の子のママ)

見ないで済むものなら見ないでほしい、でも、それだとちょっと子どもが可哀想…。我々親の葛藤を知ってか知らずか、今日も子どもたちは目を輝かせてYouTubeを見ているのですね。

ネガティブに捉えすぎない

昔、我々親世代が子どもの頃、親にゲームを頭ごなしに禁止された、という苦い経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。もしかしたら今のYouTubeって、昔のゲーム機と同じようなものなのかもしれません。テレビやニュースでYouTubeに関するトラブルを見聞きすると、どうしても「YouTube=子どもに悪影響」と捉えてしまいがちですが、まず親がYouTubeのメリット、デメリットをしっかりと理解することが必要なのかもしれません。

大中 千景