8. 想定外の支出への備え方
老後には、予期せぬ高額な支出が発生する可能性があります。主なものとして以下が挙げられます。
8.1 医療費
加齢に伴い、医療費が増加する傾向があります。健康保険の自己負担額や、保険適用外の治療費などを考慮し、予備費を確保しておくことが重要です。
8.2 介護費用
要介護状態になった場合、在宅介護や施設入居などで高額な費用が発生します。公的介護保険の自己負担分や、保険適用外のサービス費用を見積もり、備えておく必要があります。
8.3 住宅のリフォーム費用
バリアフリー化や老朽化に伴う修繕など、住環境の改善に費用がかかる場合があります。これらの費用も事前に見積もり、資金計画に組み込むことが望ましいです。
8.4 日頃から想定外の支出に備えておくと、いざという時にゆとりが生まれる
これらの想定外の支出に備えるためには、日頃から貯蓄を心がけるとともに、医療保険や介護保険への加入、住宅の定期的なメンテナンスを行うことが有効です。
老後資金の必要額は、個々の生活状況や価値観によって異なります。
退職後の生活年数、毎月の収支、想定外の支出を考慮し、具体的な金額をシミュレーションすることで、不安を軽減し、計画的な備えが可能となります。早めの準備と定期的な見直しを行い、安心した老後生活を迎えましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」
- 生命保険文化センター「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査概況」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
和田 直子