3. 老後の受け取る年金額が少ない!年金を増やす方法3つ

老後の年金額には大きな個人差があり、月額10万円未満の受給者も珍しくありません。

「自分が受け取る年金額が気になる」という方は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用して、自身の年金見込額を確認することをおすすめします。

もし見込額が少ないと感じた場合には、現役時代に「年金額を増やすための対策」を考えておくことが有効です。

本章では、現役時のうちからやっておきたい・検討しておきたい年金を増やす方法を3つ紹介していきます。

3.1 厚生年金保険に長く加入する・年収を上げる

厚生年金は現役時代の年収を基に保険料が決定され、年収が高いほど年金が増えるため、年収を上げることで厚生年金の受給額を増やすことができます。

加えて、厚生年金の受給額には「加入期間」も大きく影響するため、現役時代に長期間にわたって厚生年金に加入することが重要です。

3.2 国民年金の未納分を納める

国民年金に未納期間があると、受け取る年金額が減額されるため、未納期間がある場合は追納を検討することが重要です。

国民年金の受給資格を得るためには、「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」の合計が10年以上であることが条件で、もし10年未満の場合は年金は支給されません。

たとえば、9年11ヶ月の保険料納付では、10年に満たないため年金が支給されず、「払い損」となるリスクがあるため、未納期間を確認しておきましょう。

また、国民年金のみを受給している場合には、「国民年金基金」や「付加保険料」など、年金額を増やすための制度を利用する方法もあるため、これらの制度を活用することを検討するのも一つの手段です。

3.3 繰下げ受給の利用を検討する

老後に受け取る年金見込額が少ない場合、「繰下げ受給」を選ぶことを考慮するのも一つの方法です。

繰下げ受給とは、年金の受給開始時期を遅らせることで、受給額を増やすことができる制度で、年金受給開始を1か月遅らせるごとに、年金額が「0.7%増額」され、最大で84%増額することが可能です。

たとえば、厚生年金が「10万円」の場合、75歳から繰下げ受給を選ぶと、受給額が「18万4000円」まで増える計算になります。

ただし、繰下げ期間中は年金を受け取れないため、その間の生活費を別の収入源で補う必要がある点には注意が必要です。

4. 自分が将来受け取る「年金見込額」を知っておこう

本記事では、老後の年金の平均受給額や、厚生年金の受給状況について詳しく解説していきました。

「厚生年金は手厚い」と考えられがちですが、実際には年金保険の加入状況や年収によっては、厚生年金に加入していても月額10万円未満になる場合も少なくありません。

自身の将来の年金額についてまだ確認していない方は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、年金見込額をチェックしておくことをおすすめします。

もし将来の年金額が少ないと感じた場合、現役時代から実践できる「年金額を増やす方法」がいくつかあるため、早めに対策を取っておくことで、安心して老後を迎えることができるでしょう。

参考資料

和田 直子