8. 老後「ひと月の生活費」はいくら?リタイア後に備えた用意を
年金額の平均をみてきましたが、最後に厚生労働省の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」より、標準的な65歳以上の無職夫婦世帯の家計収支をのぞいてみます。
8.1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)
収入:25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円
支出:28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
- 食料:7万6352円
- 住居:1万6432円
- 光熱・水道:2万1919円
- 家具・家事用品:1万2265円
- 被服及び履物:5590円
- 保健医療:1万8383円
- 交通・通信:2万7768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5377円
- その他の消費支出:5万2433円
- 諸雑費:2万2125円
- 交際費:2万3888円
- 仕送り金:1040円
■うち非消費支出:3万356円
- 直接税:1万1162円
- 社会保険料:1万9171円
家計収支
- ひと月の赤字:3万4058円
上記を見てわかる通り、平均的な夫婦の年金のみの金額は22万円台。
一方で月の支出は28万円台になり、赤字で見ると3万4058円でした。
年金は加入状況により家庭差が大きいので、必ず早くから確認をおこない、それにより公的年金だけでなく私的年金や貯蓄などで備えていくといいでしょう。
また、支出も家庭差があり、できるだけ抑えることが大切です。
家計収支が黒字になること、もしくは赤字でもその赤字を少なくすることで、老後に必要な貯蓄額は異なります。
支出に関しては、長年の習慣もありなかなか抑えられないという場合もあるでしょう。できれば現役時代のうちから、お子さんが巣立ったら電気やガス、スマホ、保険などの固定費から見直し、生活のダウンサイジングをしたいところです。
これを機に老後について、ご自身の場合を考えてみてくださいね。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
宮野 茉莉子