厚生労働省が2025年4月7日に発表した2月の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価変動分を除いた実質賃金は、前年同月と比較して1.2%減少したことがわかりました。

物価の高騰が続く中、賃上げが進まず、家計のやりくりに難しさを感じる点も多いのではないでしょうか。

政府は「貯蓄から投資へ」の流れを促進するために、新NISAやiDeCoのような非課税優遇制度を活用できる投資方法の認知拡大を図っています。

その流れに乗るように、投資を始めたり、家計の金融資産における投資の割合を増やすなど、一般消費者の行動も投資へ向かい加速しているようです。

そこで今回は、注目度の高い新NISAを活用した投資シミュレーションをご紹介します。50歳の人が退職(今回は65歳で設定)までの間にどのくらい資産を殖やすことができるものなのでしょうか。

今後の資産形成計画を考える上で、参考にしてください。

1. 新NISA(少額投資非課税制度)とは?どんなメリットがあるのか?

【写真全7枚中1枚目】新NISAとは。2枚目以降で、新NISA「非課税」のしくみや、積立投資シミュレーション結果を見る!

新NISA

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そもそもNISA(ニーサ)とは、2014年に誕生した資産形成を後押しする少額投資非課税制度です。

1.1 新NISAとは何か

2014年当初は単にNISAと呼ばれ、その後2018年につみたてNISAが登場することで、一般NISAとつみたてNISAとして併存することになりました。ただ、それぞれが一本化され、2024年には「新NISA」として利用可能となっています。

では、NISAの最大のメリットは何なのでしょうか。

それは、運用で得た「売却による利益(譲渡益)」や「配当金」などが非課税になることです。

通常、利益や配当金には約20%の税金がかかりますが、NISA枠を利用すれば非課税になるため、利益をまるまる受け取ることができます。

新NISA「非課税」のしくみ

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

ただし、NISAという制度を利用して投資できる金額や商品には制限があります。NISAの特徴を確認しておきましょう。