親は子どものしつけについて悩むことも多いもの。他人に迷惑をかけないように、分別がつくようになど、わが子の将来を思うからこそ口うるさくなってしまうこともありますよね。

しかし、夜になって寝ている子どもの顔を見て「これでいいのかな?」と葛藤しているママも多いのではないでしょうか。実は私たち母親が思っているよりも、本当に叱るべきシーンって少ないのかもしれない。そう気がついたエピソードをご紹介します。

子どもをしつけることと支配することの違い

次のようなシーンで、思わずイライラしてしまうママも多いのではないでしょうか。

  • 何度言ってもおもちゃを片づけず部屋を散らかす
  • 何度言っても歯みがきや手洗いをしない
  • 夜なかなか寝てくれない
  • 「自分で頑張って歩く」と約束して出かけたはずなのに「抱っこ」とねだる
  • ほかにも約束をすぐに覆す(悪気はないけど心変わりが早い)
  • 「今僕が(私が)これをしたい!」という主張を通そうと駄々をこねる

日々わが子と真剣に向き合っているママは、ほかにもたくさんの場面でつい叱ってしまうこともあるでしょう。筆者もわが子が3歳になるまでは、イヤイヤばかりで計画通りに事態が進まないことに対して何度もイライラしていました。

ところがある日、私の母親が孫である息子に対して怒っている姿を見て、それって自分が面倒で言っているだけじゃない?と思ったことがあったのです。

息子が生まれたときから、義母にはよく「命にかかわることと他人に迷惑をかけることだけ、バシッと叱ればいい」と言われてきました。そのときは“確かにそれが理想だけど、実際のしつけとなると言うべきことはたくさんある”と思っていた私。

しかし母親を通してしつけを客観的に見たあとで改めて思い返してみると、これまで叱ってきたことは、単に親の思い通りにならないことに怒っていたのではないかと疑問を抱くように。私がイライラしていたのは、私が思ったように動いてくれない子どもに対して腹を立てていただけだ、と気がついたのです。

子どもの気持ちを認める育児法に挑戦

そうして子どもに善悪を教えることと、親の思い通りに動かすことは違うと感じた私は、今度は自分がイライラしてしまうことに対して自己嫌悪に陥るようになりました。

私って母親の器じゃなかったのかな?と自信を失いながらも、とりあえず自分を変えたくて、子どもの気持ちを認めて代弁する育児法に挑戦。息子がイヤイヤしても育児書通りに「これがまだやりたかったんだね?」などと言ってみることにしました。

とにかく息子の想いを肯定して、理由を話しながら説得する日々。とはいえ仕事をしていれば朝もタイムリミットがあるし、時間内に子どもが納得してくれるとも限りません。部屋もおもちゃが散らばって、自分の家なのにリラックスできず…息子のペースに合わせる時間が増えることで、いろんなことのバランスが取れなくなってしまいました。

自分の未熟さを否定しないように