中央値というのは、データを大きい順(もしくは小さい順)に並べて、ちょうど真ん中に位置するデータを言います。平均値では極端に大きな数値や一方で「ゼロ」という数値が含まれると平均値がそうした数値に振られてしまうことがります。そうした状況で全体像を見失わないようにするために、中央値が使われます

さて、世帯の貯蓄額の中央値をみてみると、約1000万円という値が出ています。

先ほどの平均値である約1800万円よりは小さな値となりました。それでも「1000万円」の貯蓄というのは大きな金額ですね。

負債額の統計データ

続いて負債の方も見てみましょう。

貯蓄、つまりバランスシートの左側の金額が多いからといって、バランスシートの右側にある負債が多ければ健全な家計とは言えないでしょう。

余談ですが、貯蓄には不動産は含まれないため、住宅ローンなどを活用してどの程度の不動産を資産として持っているかは、ここからはわかりません。

さて、平成29年(2017年)の総務省による「家計調査報告[貯蓄・負債編]」で負債額について見ていきましょう。

負債は次のような結果となっています。

今回調査の全世帯での負債現在高の平均は517万円となっています。

ところが、皆さんはすぐにお気づきだと思いますが、この中には住宅を購入されていないケースなど、負債を抱えていない世帯も含まれてしまいます。

そこで、負債を抱えていない世帯を除いた「負債保有世帯」についての平均などを見ると以下の通りです。

  • 2人以上の世帯の負債の平均額は1379万円
  • 2人以上の世帯の負債の中央値は1080万円
  • 負債保有世帯の比率は37.5%

2人以上の世帯における負債の統計では、約6割の人が「負債なし」に該当します。

住宅ローンなど高額な負債を抱えている家庭と、そうでない家庭で分かれていることから、すべての世帯での平均値をとってしまうと負債額が低めに出てしまいます。

全体での負債の平均は500万円超となりましたが、負債保有世帯についてみるとその平均は1300万円を超えています。

負債超過の40代と40歳未満の世帯

負債保有世帯のうち、世代別に貯蓄と負債についてみていきましょう。