9. 「ねんきん定期便・ねんきんネット」で自分の年金記録の確認を

公的年金は、生涯にわたって受け取れる重要なライフラインです。

年金加入状況や受給見込額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して把握しておきましょう。

また、ねんきん定期便やねんきんネットで年金記録を確認した際に、「未加入」の期間がある場合は注意が必要です。

9.1 【必ず確認】年金記録に「もれ」や「誤り」があるかもしれないケース

出所：政府広報オンライン「ねんきんネット」でいつでも最新の年金記録が確認できます！

1.「未加入」期間に「働いていなかったケース」

  • 学生であったが、国民年金に加入していた。
  • 夫（妻）の扶養家族であったが国民年金に加入していた（昭和61年3月以前に限る）

2.「未加入」期間に「働いてたケース」

  • 退職後、結婚し姓が変わった
  • いろいろな名前の読み方ができる
  • 事情により本名とは異なる名前で勤めた
  • 事情により本来とは異なる生年月日で勤めた
  • 転職のたびに年金手帳が新たに発行されたが、年金手帳を一つにまとめる手続きをしていない
  • 同じ会社（グループ）内で転勤や出向を繰り返していた
  • 勤務先の会社が、合併・社名変更・倒産した
  • 試用期間中に退職した
  • 保険の外交員、期間工などとして勤めていた

3.その他のケース

  • 保険料を納付したにもかかわらず、「未納」となっている
  • 標準報酬額（※）が実際と異なっている、または大きく変動している

※給与などの平均を区切りのよい一定の幅で区分し、納付する保険料額の計算のもととなるもの

上記のいずれかの項目に当てはまる場合、年金記録に「もれ」や「誤り」がある可能性があるため、気になる点があれば、最寄りの年金事務所などに問い合わせをすることをおすすめします。

10. まとめにかえて

本記事では厚生労働省の公表データをもとに、いまのシニア世代の年金受給額を確認しました。

また、現役時代の過ごし方により年金額がどのように異なるかもモデル年金額で比較しながら見てきました。

自分自身がどのケースに当てはまるか、どれくらいの年金受給額になるか、まずはそれを知ることから始めてみてはいかがでしょう。

老後の対策を立てるためにまず初めに行うことは「現状の把握」です。現在地が分からないことには対策の立てようがありません。

そして、現状を把握した後、次に行うべきは「ゴール設定」です。いつまでにどれくらい貯めたいのかを明確にすることで、とるべき手段が見えてきます。

最初と最後が肝心です。闇雲に何かに取り組むのではなく、まずはこの2つを確認してみましょう。

参考資料

荻野 樹