8. まとめにかえて

今回は、令和シニアの年金事情について詳しく見てきました。厚生労働省年金局のデータによれば、国民年金の平均月額受給額は男女ともに5万円台。
 
ただし、これはあくまで平均値であり実際は月額6万円以上7万円未満の年金額を受け取る方の数が最も多く、ほとんどの方は満額に近い金額の国民年金を受け取っています。
 
また、自営業やフリーランスの方は将来受け取れる年金は国民年金のみです。月に6万円から7万円の年金収入だけで老後の生活を支えるのは非常に厳しいでしょう。
 
現役時代の今のうちから老後資金の準備をしっかりしておくと良いでしょう。
 
一方、厚生年金については男女間で受給額に大きな差があり、男性の平均月額受給額は16万円台、女性は10万円台となっています。
 
厚生年金は収入に応じて納める年金保険料が個人間で異なります。
 
そのため、結婚して子どもを産んでからは働き方を変えて収入が下がったという場合や、妊娠を機に専業主婦になったという場合は納めた厚生年金の保険料が少なかったり保険料を納めた期間が短くなり、将来の年金額が少なくなる傾向にあります。
 
女性は結婚や出産で働き方に影響が出やすく、その影響が将来の年金にも深く関わるため、「年金が少ないかも」と感じる場合はNISAやiDeCoなどを活用して老後資金の準備を手厚くしておくと良いでしょう。
 
また、男性においてはねんきんネットやねんきん定期便などで将来の年金見込額を確認しておくことをオススメします。
 
厚生年金の平均月額受給額は16万円台といえど、これはあくまで平均値。現役時代の収入によっては平均値を大きく下回った年金額しか受け取れないということもあり得ます。
 
まずは、年金見込額を確認したうえで不足する老後資金の準備にとりかかりましょう。
 

参考資料

鶴田 綾