2025年3月4日に総務省は「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2025年(令和7年)2月分(中旬速報値)」を公表しました。これによると、2月の生鮮食品を除く総合指数は前年同月比2.2%上昇の108.5となっています。

直近ではガソリン価格の高騰などもあり、車・バイクを使う方には大きな影響を及ぼしているのではないでしょうか。

そんななか政府は住民税非課税世帯を対象に3万円を給付することを決め、現在各自治体で支給手続きが進行中です。

本記事では、物価高による影響や住民税非課税世帯を対象にした3万円給付について、概要や要件について解説をしていきます。

1. 【調査】物価高が家計に与える影響は?

2025年3月6日、SOMPOダイレクト損害保険株式会社が公表した 物価高が家計に与える影響についての調査結果(※)によると、回答者の約4割が物価高の影響で生活がとても厳しいと実感していることが分かりました。

また、最も値上がりの影響が大きいと感じているものとして66.5%の人が「食品」と回答。「実際のところ、物価高により生活はどれぐらい厳しくなっていると実感していますか」という問いに対する回答は以下の通りです。

「実際のところ、物価高により生活はどれぐらい厳しくなっていると実感していますか。 」(単一回答:n=904)1/4

実際のところ、物価高により生活はどれぐらい厳しくなっていると実感していますか。  (単一回答:n=904)

出所:SOMPOダイレクト損害保険株式会社【第2弾】物価高による家計への影響を調査(PRTIMES)2025年3月6日

  • 本当に厳しい。明日の食べ物にも困るレベル:6.4%
  • かなり厳しい。貯金を切り崩すレベル:は30.4%
  • やや厳しいが、出費を抑えることでやりくりできている:52.0%
  • 実際のところまったくこまっていない、これまでと変わらない:6.7%
  • 答えたくない:4.4%

このように、約9割の人が昨今の物価高に何らかの厳しさを感じていることが浮き彫りとなりました。

止まらぬ物価高騰が世代を超えた多くの家計を圧迫するいま、政府の物価高騰対策の一環として「住民税非課税世帯への3万円の給付金」の給付作業が進行中です。

次ではこの給付金のあらましに触れておきます。

※調査概要※
調査名:【第2弾】物価高による家計への影響を調査
調査元:SOMPOダイレクト損害保険株式会社
調査時期:2024年12月
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の20歳以上の男女1042人(男性510人、女性532人)

2. 住民税非課税世帯を対象とする3万円給付とは

「住民税非課税世帯を対象とする3万円の給付金」は、特に物価高の影響を受けやすい低所得者世帯を支援する目的で、2024年度補正予算に盛り込まれました。

まずは、この給付金の概要を整理しておきましょう。

※対象世帯となる要件や、給付スケジュール、申請方法については、自治体により異なります。ホームページや広報誌などで最新情報を確認してください。

2.1 住民税非課税世帯への《3万円給付金》子ども加算あり

住民税非課税世帯への《3万円給付金》子ども1人に2万円加算2/4

住民税非課税世帯への《3万円給付金》子ども加算あり

出所:内閣府特命担当⼤⾂(経済財政政策)「国⺠の安⼼・安全と持続的な成⻑に向けた総合経済対策」

今回の給付金は、1世帯あたり3万円が基本です。支給対象となる世帯の中でも子育て世帯には「子ども加算」として、18歳以下の児童1人につき2万円が「こども加算」として上乗せ支給されます。

ここで挙がった「住民税非課税世帯」は、しばしば国や自治体による各種助成や優遇の対象要件となる区分です。次では住民税非課税となるボーダーラインについても確認していきます。

3. 個人住民税のしくみと住民税が非課税になる要件

個人住民税のしくみ3/4

個人住民税

出所:総務省「個人住民税

「住民税非課税世帯」は、今回の給付金のような公的支援の対象基準としてよく使われる区分です。所得に関係なく一律で課税される「均等割」と、所得に応じて決まる「所得割」の両方が免除されている世帯のことです(※)

住民税が非課税となるのは、以下のいずれかに該当する場合です。

  1. 生活保護を受けている
  2. 障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下
  3. 前年の所得が各市町村の定める基準を下回る

ただし、3つめの所得基準は自治体ごとに異なります。次で具体例を挙げながら見ていきましょう。

※なお「住民税の所得割のみ非課税となるケース」もあります。ただし今回の給付金の対象となるかどうかは自治体により異なるため、必ずお住まいの市区町村などの基準をご確認ください。

4. 住民税非課税世帯となる所得のボーダーライン

世帯全員の住民税が非課税となる世帯を「住民税非課税世帯」といいます。

先ほど触れたように、住民税が非課税となる所得要件は、自治体ごとに異なります。一例として、東京都23区内の基準を見てみましょう。

4.1 住民税非課税世帯に該当する要件(東京都23区内の例)

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方

(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方

(3) 前年中の合計所得金額が下記の方

  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
  • 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下

東京都23区内の場合、扶養家族がいない場合の所得目安は45万円以下です。ただし所得は、年収から経費や各種控除を差し引いたあとの金額です。次では収入(年収)換算で見てみましょう。

4.2 住民税非課税世帯:ボーダーラインとなる収入の目安は?(東京都港区の例)

港区における住民税非課税世帯の年収条件4/4

港区における住民税非課税世帯の年収条件

出所:港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」

  • アルバイトやパート:給与収入が100万円以下
  • 65歳以上で年金受給のみ:年金収入が155万円以下
  • 65歳未満で年金受給のみ:年金収入が105万円以下
  • 不動産収入等所得:収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下

東京都港区での場合、アルバイトやパートなどの「給与収入」ならば、住民税非課税に該当する収入目安は「100万円以下」です。

一方、年金収入のみであれば住民税非課税世帯となる収入目安の基準は上がります。65歳未満は「105万円以下」ですが、65歳以上になると「155万円以下」にまで引き上がります。

なお、不動産収入などの所得になると、収入から必要経費を差し引いた合計所得が「45万円以下」となり、大幅に下がりますね。

5. シニア世帯は住民税非課税世帯に当てはまりやすい?

前述の年収目安からは、老齢年金を受け取るシニア世帯は住民税非課税世帯に当てはまりやすいことが推測できます。

住民税が課税される世帯の割合は、60歳代で78.3%、70歳代で64.1%、80歳代では47.5%と低下していきます。

年金生活に入り収入が減り、住民税非課税となる所得基準を下回る世帯が増えるためと考えられます。遺族年金が非課税であることも、高齢者に住民税非課税世帯が多い要因の一つと言えるでしょう。

ただし、住民税非課税の判定の基準はあくまでも「収入」です。例えば金融資産をたくさん持っている場合などでも、年金収入が基準額以下で住民税非課税となる場合は、今回の給付金の支給対象となります。

6. まとめにかえて

本記事では、物価高による影響や住民税非課税世帯を対象にした3万円給付についての概要などについて解説をしていきました。

物価高は多くの方々の生活を厳しくしており、短期的に解決する可能性は低いのが現状です。

少しでも資産を増やすためには、収入アップや節約、資産運用など、自分自身ができることから始めてみてはいかがでしょうか。

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参考資料

長井 祐人