もうすぐ新しい年度を迎えます。年度の始まりにはさまざまなルールや制度の変更がありますが、公的年金も下記のとおり増額が決定しています。

  • 年金額(国民年金・厚生年金):+1.9%(2024年度比)
  • 年金生活者支援給付金(給付基準額):+2.7%(2024年度比)

年金生活者支援給付金とは、基礎年金を受給する低所得世帯を対象に給付金を支給する制度です。

本記事では年金生活者支援給付金の対象者や給付金基準額などについて解説していきます。

1. 年に約6万円が支給!「年金生活者支援給付金」とは?要件も確認

「年金生活者支援給付金」の対象者には、各種類ごとに以下の条件が定められています。

年金生活者支援給付金制度について1/8

年金生活者支援給付金制度について

出所:厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」

1.1 「老齢年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れる?

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

1.2 「障害年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れる?

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 障害年金等の非課税収入は除く

1.3 「遺族年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れる?

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く

これらの条件を全て満たす方が、「年金生活者支援給付金」を受け取ることができます。

次に、2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額の目安について詳しく見ていきましょう。

2. 2025年度最新!「年金生活者支援給付金」の給付基準額はいくら?

2025年1月24日に厚生労働省が発表した資料によれば、2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付基準額は、以下の通りです。

年金生活者支援給付金の給付基準額2/8

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

給付額は、保険料を支払った期間などの条件をもとに決定されます。

それでは、現在のシニア層は実際にどのくらいの年金を受け取っているのでしょうか。

3. 【60歳代】「厚生年金と国民年金」の平均月額はいくら?

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、60歳代、70歳代、80歳代それぞれの年齢ごとの平均年金月額を1歳刻みで確認していきます。

※以下、厚生年金の金額にはすべて国民年金部分が含まれる点にご留意ください。

3.1 【60歳代(60〜69歳)】「厚生年金」の受給額一覧表を確認

60歳代の厚生年金額3/8

60歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:厚生年金9万6492円
  • 61歳:厚生年金10万317円
  • 62歳:厚生年金6万3244円
  • 63歳:厚生年金6万5313円
  • 64歳:厚生年金8万1700円
  • 65歳:厚生年金14万5876円
  • 66歳:厚生年金14万8285円
  • 67歳:厚生年金14万9205円
  • 68歳:厚生年金14万7862円
  • 69歳:厚生年金14万5960円

3.2 【60歳代(60〜69歳)】「国民年金」の受給額一覧表を確認

60歳代の国民年金額4/8

60歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:国民年金4万3638円
  • 61歳:国民年金4万4663円
  • 62歳:国民年金4万3477円
  • 63歳:国民年金4万5035円
  • 64歳:国民年金4万6053円
  • 65歳:国民年金5万9599円
  • 66歳:国民年金5万9510円
  • 67歳:国民年金5万9475円
  • 68歳:国民年金5万9194円
  • 69歳:国民年金5万8972円

厚生年金において、65歳未満の厚生年金保険(第1号)受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分が支給開始年齢の引き上げに伴い、主に報酬比例部分のみの受給者となっています。

また、繰上げ受給を選択した場合も含まれるため、64歳までの受給額は一般的に少なくなる傾向があります。

4. 【70歳代】「厚生年金と国民年金」の平均月額はいくら?

続いて、70歳~79歳の平均年金額を確認していきましょう。

4.1 【70歳代(70〜79歳)】「厚生年金」の受給額一覧表を確認

70歳代の厚生年金額5/8

70歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:厚生年金14万4773円
  • 71歳:厚生年金14万3521円
  • 72歳:厚生年金14万2248円
  • 73歳:厚生年金14万4251円
  • 74歳:厚生年金14万7684円
  • 75歳:厚生年金14万7455円
  • 76歳:厚生年金14万7152円
  • 77歳:厚生年金14万7070円
  • 78歳:厚生年金14万9232円
  • 79歳:厚生年金14万9883円

4.2 【70歳代(70〜79歳)】「国民年金」の受給額一覧表を確認

70歳代の国民年金額6/8

70歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:国民年金5万8956円
  • 71歳:国民年金5万8569円
  • 72歳:国民年金5万8429円
  • 73歳:国民年金5万8220円
  • 74歳:国民年金5万8070円
  • 75歳:国民年金5万7973円
  • 76歳:国民年金5万7774円
  • 77歳:国民年金5万7561円
  • 78歳:国民年金5万7119円
  • 79歳:国民年金5万7078円

5. 【80歳代】「厚生年金と国民年金」の平均月額はいくら?

最後に、80歳代の年金額も1歳刻みで見ていきます。

5.1 【80歳代(80〜89歳)】「厚生年金」の受給額一覧表を確認

80歳代の厚生年金額7/8

80歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:厚生年金15万1580円
  • 81歳:厚生年金15万3834円
  • 82歳:厚生年金15万6103円
  • 83歳:厚生年金15万8631円
  • 84歳:厚生年金16万59円
  • 85歳:厚生年金16万1684円
  • 86歳:厚生年金16万1870円
  • 87歳:厚生年金16万2514円
  • 88歳:厚生年金16万3198円
  • 89歳:厚生年金16万2841円

5.2 【80歳代(80〜89歳)】「国民年金」の受給額一覧表を確認

80歳代の国民年金額8/8

80歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:国民年金5万6736円
  • 81歳:国民年金5万6487円
  • 82歳:国民年金5万6351円
  • 83歳:国民年金5万8112円
  • 84歳:国民年金5万7879円
  • 85歳:国民年金5万7693円
  • 86歳:国民年金5万7685円
  • 87歳:国民年金5万7244円
  • 88歳:国民年金5万7076円
  • 89歳:国民年金5万6796円

厚生年金の受給額を見ると、65~69歳の世代の平均は14万7427円で、85~89歳の世代では16万2348円となっており、年齢が進むにつれて年金額が増加していることがわかります。

一方、国民年金の受給額は65歳以降、常に5万円台にとどまっています。

年金だけで老後の生活を支えるのは困難であるため、多くの人が貯蓄や私的年金を活用して不足分を補っていると考えられます。

6. まとめにかえて

今回は「年金生活者支援給付金」の対象者や給付額などついて解説してきました。

また、シニア世代が実際に受け取っている年金額についても紹介しましたが、自分の理想とする老後生活との差が確認できたのではないでしょうか。

年金だけで老後の生活費を賄うことが難しいと感じた人は老後資金対策を始めましょう。

NISAやiDeCoといった税制優遇制度が周知されたことにより、これらの制度を活用した資産運用を始める人も増えてきました。

金融商品によって、手数料やリスク、流動性の大小などが異なりますので、しっかりリサーチしてみると良いでしょう。

参考資料

奥野 友貴