2025年2月21日、総務省は「2020年基準 消費者物価指数 全国2025年(令和7年)1月分」を発表。
1月の総合指数は前年同月と比べて4.0%上昇、2020年を基準とすると11.2%も上昇していることが分かりました。
消費者物価指数が上がるということは、物価が上昇し、インフレが進んでいる状態を示します。
毎月のように繰り返される「値上げ」が如実に反映されていることが分かりますね。
現役世代はもちろんですが、収入の柱を年金とする年金受給世帯にとっても大きな問題だと言えるでしょう。
今回は65歳以上の夫婦世帯の家計収支に焦点を当て、平均的な貯蓄額や生活費について確認していきたいと思います。
1. 【年金世帯のリアルな貯蓄事情】「65歳以上の無職世帯」の平均貯蓄額
総務省統計局のデータによると、65歳以上の無職の二人以上世帯の平均貯蓄額は2504万円となっています。
65歳以上で無職の二人以上世帯における、過去5年間の「平均貯蓄額の変動」は次の通りです。
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
2018年から2020年にかけての貯蓄額は2200万円台でしたが、2021年以降は2300万円台に増加し、2023年には2500万円台に達しました。
この増加の背景には、主に以下の3つの要因が影響を与えていると考えられます。
- 年金不安
- 長寿化
- 金融市場の影響
少子高齢化の進行に伴い、年金制度に対する不安が広がっており、そのため多くの人が将来に備えて貯蓄を増やす動きが強まっています。
加えて、長寿化が進む中で、老後の生活費を長期間にわたって確保する必要があるため、老後資金の準備の重要性が一層認識されるようになっています。
さらに、資産運用や投資を積極的に行っている世帯では、金融市場の変動を受けて資産価値が増加し、その影響で貯蓄額が増加したのでしょう。
これまで無職世帯の貯蓄状況を見てきましたが、次章では65歳以上の「勤労世帯を含む」世帯の貯蓄額についても詳しく掘り下げていきます。