金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」では、二人以上世帯のうち60歳代・70歳代の約3割が、「年金だけでは日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答しています。

物価の高騰が続く中、思うように貯蓄ができないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

収入が限られるシニア世帯においては、公的年金の存在が貴重な収入源となります。働き世代は老後の平均的な年金受給額や、年金が支給される頻度などをいまいちイメージできていないかもしれません。実際、いまのシニア世代はどれほどの年金を受給できているのでしょうか。

本記事では公的年金のしくみをおさらいし、最新の年金額例や、年金支給日に約46万円が支給される「標準夫婦」の定義について触れていきます。

1. 日本の公的年金制度を理解しておこう

日本の公的年金のしくみをおさらいしましょう。

【写真】厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

日本の公的年金は「2階建て構造」と表現されます。これは、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。

国民年金の加入対象は、原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人。年金保険料(※1)は全員一律です。一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料(※2)を納めます。

国民年金は、年金保険料を全期間(480月)納付すると、65歳で満額(※3)を受給できます。未納期間に応じて満額から差し引かれるルールです。

そんな中「標準的な夫婦世帯」は4月15日の年金支給日に「約46万円」支給されることがわかっています。これはどのようなことでしょうか。次で詳しく見ていきましょう。

※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円