4月15日は2ヵ月に1度の年金支給日です。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」では、年金ではゆとりがないと考える世帯が「不安を感じる理由」は「物価上昇で支出が増えると見込んでいるから」がトップになっています。60歳代で63.3%、70歳代で62.8%にものぼります。
リタイア後の主な収入源は公的年金となります。年金だけで生活をまかなえない場合は、貯蓄を取り崩して生活していくことになるでしょう。
本記事では、70歳代のおひとりさま世帯に着目し、貯蓄や年金の平均額をみていきます。老後を考えるうえでの参考になれば幸いです。
1. 【70歳代・単身世帯】「貯蓄ゼロ」の割合は?平均貯蓄額も確認
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」より、70歳代おひとりさま世帯の貯蓄事情を見ていきます。
1.1 【70歳代・単身世帯】貯蓄ゼロの割合は?
- 27.0%
平均額は1634万円ですが、より実態を表しやすい中央値に目を向けると475万円にまで下がります。
世帯ごとの内訳も見てみましょう。
1.2 70歳代おひとりさま世帯の貯蓄額ごとの世帯割合(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:27.0%
- 100万円未満:5.1%
- 100~200万円未満:5.7%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.3%
- 700~1000万円未満:5.9%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.7%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:2.4%
70歳代・単身世帯で貯蓄ゼロの割合は27.0%、つまり約4人に1人が貯蓄を持っていないという現実があります。
現在、長く働き続ける人も増えていますが、70歳代に入るとリタイアする方が多く、生活の主要な支えは公的年金や貯蓄に依存することになります。
リタイア後に貯蓄を増やすのは難しいため、できるだけまとまった貯蓄を持つことが望ましいのですが、現実には貯蓄ゼロの人も少なくありません。
また、貯蓄額の平均は1600万円を超えていますが、中央値は475万円程度にとどまっており、全体の貯蓄状況に大きな差があることがわかります。
※なお「貯蓄額200万円以下」に分類される世帯の中には、いわゆる「金融資産非保有世帯」も含まれますが、これは「運用のための資産や将来に備えた貯蓄がない」ことを指し、必ずしも預貯金がゼロというわけではありません。