昨今の物価高に加え、税金や社会保険料の負担が増しており、家計に及ぼす影響が一層深刻になっています。
中には、最低限の生活を維持することすら難しい世帯もあり、そうした世帯は「生活保護制度」の対象となります。
生活保護にはさまざまな扶助があり、食費や光熱費などの支援を目的として支給されるのが「生活扶助」です。
では、生活扶助の対象者が受けられる「冬季加算」という支援制度をご存知でしょうか。
電気やガスに加え、灯油やガソリンなどのエネルギー費が高騰している今、冬季加算は重要な支援制度のひとつです。
本記事では、冬季加算の概要や加算額の決まり方、支給額の目安などについて詳しく解説します。
1. 生活保護の受給者は200万人超
政府統計「令和6年度被保護者調査 結果の概要」によると、生活保護の受給者は約201万人、世帯数で見ると約165万世帯となっています(2024年6月時点)。
世帯別に見ると「高齢者世帯」が55.4%を占めており、その内の大半が「単身世帯」となっていることがわかります。
2. そもそも生活保護とは?冬季加算の概要も
そもそも生活保護とは、生活に困窮する人に最低限の生活を保障する制度です。
その中で「生活扶助」は日々の生活費(食費・光熱費など)を支援する給付ですが、冬季の光熱費増加を考慮し、追加で支給されるのが「冬季加算」です。
冬季加算は、寒冷地に住む生活扶助受給世帯を対象に、地域や世帯人数に応じて支給されます。
支給期間は地域ごとに異なり、寒さが厳しい地域(Ⅰ~Ⅱ区)では 10月~4月までの7か月間、それ以外の地域(Ⅲ~Ⅵ区)では 11月~3月までの5か月間となります。
- Ⅰ区 北海道・青森県・秋田県
- Ⅱ区 岩手県・山形県・新潟県
- Ⅲ区 宮城県・福島県・富山県・長野県
- Ⅳ区 石川県・福井県
- Ⅴ区 栃木県・群馬県・山梨県・岐阜県・鳥取県・島根県
- Ⅵ区 その他の都道府県
3. 冬季加算額の決まり方
前項で少し触れましたが、冬季加算の金額は、以下の3要素で決定されます。
- 地域区分(寒冷度によりⅠ~Ⅵ区に分かれる)
- 世帯人数(人数が増えるほど加算額も増加)
- 級地区分
一例として、Ⅰ~Ⅵ区までの冬季加算額を見てみましょう。
青森市(Ⅰ区)では、単身世帯の加算額が2万2080円、3人世帯では3万4110円となっています。(単位:月額)
一方、水戸市(Ⅵ区) では、単身世帯が2800円、3人世帯が4320円となっており、大きな差があることがわかります。
3.1 特別基準による加算も
特定の条件(重い障害や病気で外出が困難な場合、乳児がいる場合など)を満たすと、加算額が 1.3倍 になる「特別基準」が適用されます。
必要な場合は自治体に相談すると良いでしょう。
4. 冬季加算は重要な支援制度
今回ご紹介したように、寒冷地にお住まいの場合、生活扶助の受給者には冬季加算が上乗せされます。
近年のエネルギー価格高騰の影響もあり、冬季加算は寒冷地に住む生活保護受給者にとって重要な支援制度のひとつです。
支給額や条件は地域ごとに異なるため、該当する世帯は自治体の最新情報を確認し、冬季の生活設計に役立てましょう。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
加藤 聖人