あなたの貯蓄はどのくらいありますか。 長い人生では、思わぬ出来事により、まとまったお金が必要になる場面がたくさんあります。これまでの貯蓄を積み上げるペースでは不安だという方も多いのではないでしょうか。今回は、貯蓄を若いうちから始めた方が良い理由と、おすすめの貯蓄方法をご紹介します。では、無理なく計画的に貯蓄を増やすにはどうすれば良いか見ていきましょう。

貯蓄は若いうちから始めるのがおすすめ

人生でまとまったお金が必要な時期はいくつかあります。結婚、マイホームの購入、妊娠・出産、子どもの学費、老後の資金などぱっと思いつくだけでもこれだけあります。

また、こうしたイベントではお金が出ていくのをすでに経験した方も多いのではないでしょうか。金銭的に安心した人生を送るためにも、若いうちから貯蓄を始めておきたいものです。

若いうちから貯蓄を始めることをおすすめする理由はいたってシンプルです。

それは貯蓄にかけることができる「時間」がより長くなるためです。毎月の積立を前提とした預貯金でも、ボーナス預貯金でも、早くから始めることでより多くの貯蓄をすることができることは誰にとっても理解できます。

また、預貯金といった安全資産から株式や投資信託といったリスク資産での資産運用をする場合も、時間と複利の効果とともにより多くの貯蓄を形成することができる可能性が高まります。どんな形であれ、貯蓄をするなら時間を味方につけると効果的だといえるでしょう。

ここで一つ注意しておきたいのは、「貯蓄」は「預貯金」とは異なるという点です。貯蓄には預貯金のほかに株式や投資信託といった有価証券や保険なども含まれます。個人の資産がすべて預貯金という方もいらっしゃるでしょうが、保険に加入されている方も多いでしょうし、最近では税制面で有利な制度もあり、投資信託を保有の方も多いと思います。そうした環境の変化も含めて、私たちはこれまで以上に「貯蓄」を意識した方がよいのではないでしょうか。

貯蓄をするための具体的な方法とは

さて、貯蓄をするための有効な方法は何でしょうか。貯蓄のプロセスは極めてシンプルです。先ほど見たように、貯蓄は預貯金だけではありません。リスク資産に投資をすることも含みます。お金を「貯める」。そして「運用する」です。

貯めるのによい方法はあるのか

まず、「貯める」で注目したいのは、「先取り」です。先取りとは、その名の通り給料等から先に貯蓄分を取り分けて、残りのお金で生活することをいいます。先取りによる貯蓄方法はいくつか方法があります。

たとえば、自分で一定の金額は預貯金に割り当てると決めてみるというのはどうでしょう。財形貯蓄ならば、会社が給与天引きして貯蓄をしてくれます。事前に決めた金額に手を付けないというのがはじめの第一歩です。先立つものがなければ運用はできません。

運用に挑戦できるのか

次いで「運用する」に注目してみましょう。余裕資金ができたら、次は資産運用に挑戦してみましょう。資産運用は、早く始めれば始めるほど、複利効果等も活用して資産を大きくすることが可能です。

投資というと、短期間に大きく超過収益を実現するイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、年金などを運用するプロの投資家でも、年間数%の運用収益をいかに継続的に上げることができるのかを真剣に検討しているというのが実際です。プロでもそうした状況なのですから、これから資産形成に挑戦する方は肩ひじ張らず、自分がとれるリスクを考えながら資産運用するという姿勢が必要です。

運用では非課税枠を活用したい

なお、貯蓄初心者がすぐに始められる資産運用法としては投資信託のつみたて投資等が挙げられます。月々少額から自分で決めた金額からの投資が可能です。また、毎月の投資となりますから、時間分散を活用し、リスク分散をすることができます。加えて「つみたてNISA」などの制度を活用すれば投資信託等を通じて非課税枠を活用したお得な資産形成も可能です。

とはいえ、投資信託の商品数も非常に多く、その中から自分にあった商品を選ぶことができないという方も多いのではないでしょうか。その場合にはバランスファンドという国内外の株式や債券、場合によってはREITなども含んで運用してくれる投資信託もあります。

最近では、ロボットアドバイザーと呼ばれる個人投資家のリスク許容度をはかりながら、最適な資産構成を提案してくれるサービスも出始めてきています。そうしたサービスを活用するのも一つの手でしょう。

もっとも、資産運用に慣れてくれば、ノーロードといわれる買付手数料が無料の投資信託であったり、インデックスファンドとよばれ、信託報酬の水準が低い投資信託等を活用してお得に運用することも可能です。

まとめにかえて

貯蓄は若いうちから始めれば始めるほど、より効率的に資産を増やすことができます。ぜひ時間を味方につけましょう。コツコツ貯めた貯蓄は、人生でお金が必要になった時に、選択肢の幅を広げることとなるでしょう。ここまで見てきたケースでは、貯蓄方法として、給与天引きなどに始まり、資産運用に挑戦することですが、自分の人生設計に合わせて貯蓄プランを立てることができれば、別の方法もあるでしょう。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部