自分の預金通帳を見ながら、もっと貯蓄額を増やしたいと思いつつも、なかなか増やすことができていない…。そんな方も多いのではないでしょうか?ただ漠然と貯蓄額を増やしたいと思っていても、実際に増やすことはなかなか難しいものです。貯蓄額を増やすには色々な方法がありますが、今回はその中から3つをピックアップし、それぞれどんな方に向いているのかをご紹介していきます。

貯蓄額を増やすには収入を増やして支出を減らす。でもそれだけでは足りない

貯蓄額を増やすには、貯蓄に回せるお金を増やすことが必要です。貯蓄に回せるお金とは、収入から生活に必要な支出を引いた残りの額のこと。ただ、そのお金を「預金」や「貯金」として持っているだけでは増えないというのは誰でも感じていることでしょう。貯蓄額を増やすには、「支出を減らす(これまで以上に費用を削る)」、「収入を増やす(これまで以上に稼ぐ)」、そして「運用する(リスクを取って投資をする)」という誰もが考えればすぐにわかる3つのステップしかありません 。

支出を減らすにはどうしたらよいか

 「支出を減らす」には、毎日の生活で使っているお金を節約することが大切です。お金を浪費してしまう人の最たる特徴として「自分の支出を把握していない」があります。

まずは1か月、自分が何にどれだけのお金を支払っているのかをチェックしてみましょう。できれば、今使っているお金の項目と金額を「見える化」できると次の対応策が見えてくることもあるでしょう。

たとえば、レシートをとっておく、お金を使ったらすぐにスマホにメモするなどして、お金の流れを把握することで無駄な支出が見えてきます。まずは無駄な支出を省き、支出を減らしていきましょう。

ただ、経費を見直し続けると「節約疲れ」も出てきます。自分の趣味や楽しみに必要なお金までを一気に削ってしまうと「なんだか楽しくない」という感覚に陥ってきます。そうした状況だと節約生活も長続きしないので、支出を減らすというのには限界があるということが見えてきます。そうした状況はいつか迎えるという前提で、次のステップ「収入を増やす」について見て行きましょう。

収入を増やすにはどうすればよいか

「収入を増やす」にはどうすればいいのでしょうか。今の仕事の給与をいきなり上げることは多くの人にとって難しいという答えが返ってきそうです。そうなると、収入を増やす方法として「副業」や「転職」があります。

「副業」は今の仕事に加えて別の仕事を行い、収入を増やす方法です。インターネットを使った副業や、趣味を活かした副業などさまざまな種類があります。本業で生活費をまかない、副業の収入はすべて貯蓄に回す、というようにできれば効率的に貯蓄額を増やすことができます。

話はそれますが、副業が認められていない企業に勤めることはそこで勤務する個人にとっては会社選びの重要なポイントになる時代も来るかもしれません。もちろん、所属する会社で勤務し、給料を手にする以上はその会社で一生懸命に仕事をするのはもちろんですが、自分一人が頑張ったところで、その会社の業績を大きく変えられるというのは稀でしょう。

であれば、会社と運命を共にするのではなく、自分の能力や技術、ネットワークで自分がビジネスをできる環境を整えておくことが定年退職後などの安定収入を得るという面からは有効だといえるでしょう。

また、年収アップを期待して「転職」を検討するのも一つです。共働きの夫婦であれば、仮に転職が思ったようにうまくいかなくとも、パートナーの収入があれば、ある程度のリスクをとることは可能でしょう。このようにいくつかある選択を慎重に検討しながら「世帯」での収入を増やすということは考えてもよいかもしれません。

運用するにはどうしたらよいか

最後に「運用(投資)する」ですが、貯まった現金をどうのように運用するかが重要です。デフレの時代であれば、預貯金やタンス預金という扱いでもよかったのですが、日常生活の中でもご存知の通り食材などの値上がりもよく目にするようになってきています。インフレに準備するという意味でもインフレに強い株式投資なども検討してもよいのではないでしょうか。

株式であれば配当のある銘柄もありますし、「株式投資は難しくてよくわからない」という方には投資信託という金融商品もあります。

また、国の資産形成に対する制度も充実してきており、NISAやつみたてNISAといった非課税制度も活用できるお得な制度もあります。

金融商品にもよりますが、配当利回りの高い銘柄、配当性向の高い銘柄などを保有すれば値上がり益期待だけではなく、インカム収入も期待できるので、自分の時間を切り売りして「稼ぐ」のではなく、投資したお金が勝手に稼いでくれる状態になります。これを「投資」と呼び、「投機」とは大きく異なる点です。 

あなたに合った貯蓄額を増やすための方法-選ぶポイントをチェック

「節約」「副業」「転職」「運用(投資)」のどれが一番あなたに合っているのでしょうか。

お金や時間に余裕がない方には「節約」が向いています。節約ならば、誰でもすぐに始めることができるからです。

一方、すでに余裕資金のある人には「投資・運用」が向いています。超低金利の今、銀行預金につく利子よりもたとえば「投資・運用株式投資」によるリターンのほうが大きいといわれています。ただし、一般的にリターンが大きな商品ほどリスクも高くなります。どの程度の金額を投資に回すことができるのかという資金計画については十分に検討したいところです。

なお、スキルがある方には「副業」がおすすめです。本業の空き時間で違う仕事をして収入を増やしましょう。

また、自分のキャリアに自信がある方やキャリアアップを考える方には「転職」は一つの選択肢にはなるのではないでしょうか。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部