3. 国民健康保険料の上限が引き上げられる?
国民健康保険料は、次年度から上限が引き上げられます。引き上げは、昨年10月31日に行われた国の社会保障審議会医療保険部会にて決定されました。
引き上げられるのは、保険料の上限です。今年度までは、どれだけ収入があっても保険料は最大で106万円まででした。しかし、次年度からは上限が109万円に引き上げられます。内訳は以下のとおりです。
3.1 今年度までの限度額内訳
- 医療分:65万円
- 支援金分:24万円
- 介護分:17万円
- 合計:106万円
3.2 次年度の限度額内訳
- 医療分(基礎賦課分):66万円(+1万円)
- 支援金分:26万円(+2万円)
- 介護分:17万円
- 合計:109万円(+3万円)
引き上げられるのは医療分と支援金分です。厚生労働省によれば、今年度の保険料が上限に達している世帯は1.56%で、もし次年度も上限を据え置いた場合は世帯割合が1.59%に上昇するとしています。とくに支援金分が上限に達してしまう世帯が2.01%と多く、リバランスが必要と判断しています。
上限に達する世帯の割合を減らすことと、支援金分の上限バランスを整えることの2点を理由に、引き上げを決定したのです。
対象となるのは、今年度の保険料が年間で106万円だった人です。ただし、所得額がちょうど年間保険料106万円のラインである人は、次年度も引き続き106万円の保険料納付で済む可能性があるでしょう。
対象者は決して多くありませんが、上限の引き上げは3年連続で行われています。2022年度に初めて保険料上限が100万円を突破しましたが、そこから数年で110万円付近にまで引き上げられています。給付額の増加や財源などの問題により、次年度以降も引き上げとなる可能性が十分考えられる状況なのです。
次章では、国民健康保険料の負担を減らす対策を解説します。