インフレによる物価の高騰が続きます。コメの価格も上昇の一途をたどり、このまま老後を迎えると年金だけで生活できるか不安と感じる方もいるでしょう。
筆者もファイナンシャルアドバイザーとして、老後を中心としたお金の相談を多く受けます。予想もつかない未来は誰もが不安に感じると思います。
実際、厚生労働省によると年金だけで生活している人は全体の半分以下の41.7%なのです。年金以外の資産ももっておくと安心ですよね。
今回は、現在の70歳代の年金額と貯蓄額について解説していきます。
是非参考にしてみてください。
1. 【70歳代】二人以上世帯の平均貯蓄額はいくら?
一時期話題となった「老後2000万円問題」を受けて、老後までに2000万円を目安とした資産を作ろうと考える人もいるでしょう。
ただし、J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1923万円となりました。
2000万円に届かない形ですが、さらに「平均は一部の大きな値に引っ張られやすい性質」がある点に注意が必要です。
より実態に近い貯蓄額とされる中央値で見てみると、800万円でした。
1.1 70歳代二人以上世帯の貯蓄額
- 平均値:1923万円
- 中央値:800万円
1.2 貯蓄額一覧表
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:5.4%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:8.9%
- 3000万円以上:19%
- 無回答:3.5%
こう整理してみると、2000万円以上を保有する世帯の割合は27.9%です。貯蓄が3000万円以上という世帯は19.0%となりました。
一方で金融資産非保有、つまり貯蓄がゼロという世帯が全体の約2割を占めています。
貯蓄がある世帯・ない世帯の二極化が見てとれますね。
貯蓄が十分でない人が頼りになるのは、年金です。次章で確認していきましょう。