ファイナンシャルアドバイザーの筆者は元証券会社出身ですが、資産運用ついての相談が多い半面、老後生活の相談も多く受けていました。

老後生活の相談は主に「年金」についての相談が多く、大半の方は年金額について不安を抱いていました。

年金は老後生活の大きな収入源の一つですが、物価上昇の影響で近年は実質的に目減りしている状況です。

年金額が少ない方を対象に「年金生活者支援給付金」という制度があります。受給するには一定の条件を満たす必要があります。

本記事では「年金生活者支援給付金」の支給額や対象者について解説していきます。

1. 年金額は増えても…実質目減りのワケ&老齢年金から《天引きされるお金》

公的年金は賃金や物価を考慮して年度ごとに見直しがおこなわれます。2025年1月、厚生労働省は2025年度(令和7年度)の年金額を、前年度より1.9%引き上げることを公表しました。

3年連続のプラス改定にはなりましたが、「マクロ経済スライド(※)」によって物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には年金額は目減りしています。物価上昇に年金額が追い付けていないのです。

またシニアの多くは、税や社会保険料を老齢年金からの天引きで納めています。