2. 65歳以降の資産運用の考え方

年金生活に突入すると、公的年金と金融資産の取り崩しで生活を支えることになります。一般的には、高齢になるほど株式や投資信託などのリスク資産は現金化し、安全に保有すべきといわれています。

しかし、資産寿命を延ばすためには「運用しながら取り崩す」ことが効果的です。特に、日本では長寿化が進んでいるため、自分の寿命よりも先に資産が尽きてしまうリスクが考えられます。

運用する金額や運用利回りによって異なりますが、まったく運用しない場合と比べて、運用しながら取り崩せば資産寿命を10年以上延ばすことも可能です。

また、労働力が不足している関係もあり、昨今は「長く働く」というトレンドになりつつあります。65歳以上でも働く人は増えており、「働いて稼ぐ」という選択肢も検討すべきでしょう。

働いて生活費をカバーするための収入を得られれば、運用に回すお金を確保しやすくなります(リスクの取り過ぎは禁物です)。65歳以降の生活を支えるのは公的年金ですが、加えて「働くこと」「運用し続けること」も意識するとよいでしょう。

3. まとめにかえて

昨今は65歳以上になっても働く人が増えています。年金だけで生活を支えるのではなく、働いて収入を得たり、資産運用を通じて「運用しながら取り崩す」ことで、資産寿命を延ばせるでしょう。

老後生活における経済的な不安を軽減するためにも、公的年金制度の理解を深め、リスク許容度の範囲内で資産運用を継続しましょう。

参考資料

柴田 充輝