2. 厚生年金を月額20万円受け取るために必要な年収

月額20万円の年金を受け取る場合、年間換算で240万円です。2024年度における国民年金の満額が年額81万6000円であるため、厚生年金で158万4000円を受給する必要があります。

老齢厚生年金の年額は「厚生年金加入中の平均標準報酬×5.481÷1000×加入月数」で計算できます。

この計算式に当てはめると、厚生年金に40年(480カ月)加入する場合、必要な平均年収は約722万円となります。

国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査結果」によると、日本の平均年収は460万円でした。722万円という年収を40年間にわたって維持するのは、かなりハードルが高いといえるでしょう。

「年金月額20万円以上」を実現したい場合は、確定拠出年金(企業型DCやiDeCo)や個人年金保険で自分専用の年金を用意する方法が考えられます。また、公的年金の繰下げ受給により、受給できる公的年金を増やす方法も検討しましょう。

3. まとめにかえて

厚生年金を月額20万円受給するのは現実的ではありません。

少しでも年金額を増やしたい場合は、できるだけ長く厚生年金保険に加入して働いたり、繰下げ受給を検討するとよいでしょう。

あわせて、確定拠出年金や個人年金保険などを活用するのもおすすめです。

公的年金の上乗せとなる自分専用の年金を用意できれば、老後生活の経済的な不安を軽減できます。

参考資料

柴田 充輝