今回は、多くの方が心配している年金について、いままさに年金生活をしているシニア世代の生活にスポットを当て、どれくらいの年金収入で生活をしているのか確認していきます。
年金を含む所得が少ない人向けの年金生活者支援給付金についても確認します。
1. 60・70歳代の約3割「年金だけじゃ、日常生活費程度も払えない」と回答
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の約59.0%が生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と感じていることが分かりました。
また、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」では、二人以上世帯のうち60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が、年金だけでは「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答しています。
また年金ではゆとりがないと考える世帯が「不安を感じる理由」は「物価上昇で支出が増えると見込んでいるから」がトップに。60歳代で63.3%、70歳代で62.8%にのぼります。
次いで「医療費の個人負担が増えるとみているから」は60歳代で28.3%、70歳代で34.8%、「介護費の個人負担が増えるとみているから」は60歳代で18.1%、70歳代で26.4%。
止まらぬ物価上昇に家計が圧迫される中、健康や介護面での不安を抱えながら、切実な思いで過ごすシニア世帯の存在があります。
公的年金は毎年度改定されます。物価上昇を受け、2025年度は3年連続増額にはなっているものの、マクロ経済スライド(※)による調整があり実質的には目減りです。
では、2025年度の年金について確認しましょう。
※マクロ経済スライド:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ