「メイクは女性がするもの」。そういった価値観が、少し変わりつつあるようです。というのも、若い男性を中心に、メイクをする人が増え始めているからです。
では、男性の化粧は、実際にどのような広がりを見せているのでしょうか。
メンズメイクとは
これまで、男性のコスメというと、洗顔や化粧水、乳液などの基礎化粧品と呼ばれるものや香水がメインとされてきました。ところが、近年では、女性と同じようなメイクをする男性が増えてきています。
男性でメイクをする有名人といえば、タレントのりゅうちぇるさんが思いつくでしょうか。彼のように濃いメイクとまではいきませんが、肌のくすみやシミをカバーするためにファンデーションを塗ったり、リップを使用して唇の血色をよく見せるなど、薄いメイクを行う人は少なくないようです。
充実し始めるメンズコスメ
SNSやYoutubeでは、メイクのビフォーアフター動画をアップしている男性のアカウントが多数あり、
「メイク楽しい!」
「(人がやっているのを見て)やってみたいと思った」
といった声も多いようです。
また、今年の5月には「THREE」というコスメブランドを擁するアクロからも、メンズコスメのブランドが立ち上がったほか、同じく今年8月にはシャネルがメンズ用のコスメラインを発表しました。市場調査会社の富士経済の予測によると、男性向けのコスメ市場は2018年で1175億円の売上を見込んでおり、今後もさらに拡大すると推測されています。
就活でもメイク?
就職活動でメンズメイクを利用する人もいます。面接や写りが悪くなりやすい証明写真での印象を少しでも良くしようというのが目的のようです。メイクによって清潔感を出すことで、第一印象が良くなるほか、「自信が持てるようになった」という人もいます。
一方で、メンズメイクに対して、
「男性が化粧をするのは気持ちが悪い」
「男らしくない」
といった否定的な声も少なくありません。こういった声は、男性からも女性からも上がっています。
また、メンズメイクを紹介するサイトでも「ばれないメンズメイク」などの文句が多く見られます。こうしたことからも、いまだに化粧をする男性への視線は厳しいというのが実際のようです。ネット上では、就活でのメンズメイクに対して、「メイクの練習をするくらいなら笑顔の練習をしたほうがいい」といったちょっと辛辣な意見も見られます。
メイクで自分の「なりたい姿」に
メンズメイクは「コンプレックスをカバーし、自分に自信を持ちたい」ということで始める男性が多いようです。また、メンズコスメブランド「BOTCHAN」には、「『男らしく』を抜け出そう」というキャッチコピーがあるなど、「らしさ」から解放され、自分の好きな姿で過ごすことへの憧れのようなものが見られます。
昨今では「女性は男性のために化粧をしているわけじゃない」といった意見もしばしば見かけるようになり、これも「らしさ」からの脱却を望むものといえるでしょう。
このように、男女を問わず、「化粧」=「自分のなりたい姿になるための手段」という考えがこれから広まっていくのかもしれませんが、それに否定的な反応を示す人も少なからずいます。少しずつ広がりを見せる「メンズメイク」、みなさんはどう思われますか?
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