最近、女性の社会進出が進み、多くの分野で活躍する姿が見られるようになりました。
しかし、現実として男女間の年収の差は依然として大きく、経済的な格差が根強く残っているのも事実です。
こうした状況を受け、政府は「女性版骨太の方針2024」を策定し、女性の経済的自立を支援するための施策を強化しています。(女性版骨太の方針2024の詳細については「ご参考」でご紹介しています)
では、なぜこうした取り組みが必要なのでしょうか?その背景には、職種や働き方の違い、昇進の機会など、さまざまな理由があると言われています。
政府の取り組みとしては、女性が活躍しやすい環境整備や、企業に対する女性登用の促進策、さらには女性が再就職やキャリアアップをしやすくなるためのスキル向上支援などが挙げられます。
しかし、政策だけで解決できる問題ではなく、私たち一人ひとりがキャリアや働き方について考えることが重要です。
今回は、男女の年収格差の現状について、最新のデータをもとに詳しく見ていきます。この機会に、自分のキャリアや働き方について改めて考えてみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
1. 【20~70歳代】平均年収はどれぐらいか
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」から、20〜70歳代の平均年収を見ていきましょう。
上記調査より、男女別の各年代の平均年収をみてみると、男性は年代が上がるにつれて年収が上がっていくのですが、一方で女性は横ばいから緩やかに減少するとがわかります(【図表1】参照)。
男性の場合は、50歳代まで平均年収は上がり続け、55〜59歳でピークである「712万円」となります。社会に出てから安定的に増えるというのが特徴でしょう。
一方、女性の場合は、20歳代後半から50歳代まで平均年収が300万円台前半と横ばいな状態が続いており、最も高い平均年収でも25〜29歳で「353万円」となっています。
また、男性の場合は日本全体の平均年収に到達する人が、比較的若い世代でも多い傾向にありますが、女性の場合はハードルが高い現状がみてとれます。