シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内私鉄大手である京成電鉄です。

京成電鉄の平均年間給与はいくらか

京成電鉄（提出会社）の2018年3月31日時点での平均年間給与は 743.6万円と700万円を超えています。また、従業員の平均年齢は42.2歳となっており40歳を上回っています。平均勤続年数は19.2年となっています。

京成電鉄の従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社（単体）の従業員数は2018年3月31日時点で1641名。単体で1000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • 運輸業：1515名
  • 不動産業：27名
  • 全社（共通）：99名

また、連結の従業員数は8903名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 運輸業：7103名
  • 流通業：613名
  • 不動産業：155名
  • レジャー・サービス業：343名
  • 建設業：318名
  • その他の事業：272名
  • 全社（共通）：99名

過去5年の業績動向

京成電鉄（連結）の業績推移についても見ておきましょう。

まず、売上高ですが、過去5年をみると、2017年3月期は減収となったものの、概ね増収傾向が続いています。2014年3月期に2449億円であった水準が、2018年3月期には売上高は2550億円となっています。

また、経常利益については増益傾向が継続しています。2014年3月期には369億円の水準であったものが、2018年3月期には471億円にまで増加しています。

投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益は連結経常利益と同様に増加傾向で、2014年3月期には270億円あったものが、2018年3月期には348億円となっています。

今後の注目点

京成電鉄では、基本的には営業利益、営業利益率、経常利益の向上及び有利子負債の削減に強めています。また、長期経営計画「Evolution Plan（Ｅプラン）」では、平成34年3月期に営業収益で2800億円以上、営業利益率10％以上、有利子負債残高3500億円いか、EBITDA倍率7倍以下を掲げています。

また、中期経営計画「Ｅ３プラン」（平成28～30年度）を推進しています。平成31年３月期の数値目標として、営業利益280億円以上、営業利益率11％以上、経常利益440億円以上、有利子負債残高上限3250億円、EBITDA倍率上限6.1倍を掲げています。

今後のこれら財務に関するKPIをどのように達成していくのかに注目です。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部