2.3 「老齢年金生活者支援給付金」の平均給付月額は?
では、実際の給付額がどれくらいなのか、確認してみましょう。
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、実際に支給された平均給付月額は以下のとおりです。
- 全体:4014円
- 70歳未満:4691円
- 70~74歳:4187円
- 75~79歳:3930円
- 80~84歳:3835円
- 85~89歳:3883円
- 90歳以上:3952円
月額5310円の基準額よりも少ないケースが多いことがわかりますね。
新たに給付の対象となる方には、毎年9月から順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されており、この請求書は提出が必要で、手続きが完了した翌月分から給付金の対象となります。
なお、すでに年金生活者支援給付金を受給している方については、再手続きは原則不要です。
3. まとめにかえて
厚生年金受給権者のうち、平均受給額を上回る月額15万円以上を受け取る人は約半数です。
ただし、老後の年金受給額は個人差があります。現役時代の早い段階で、受給見込額を把握し、老後生活のキャッシュフローを想定してみると良いでしょう。
年金の受給見込額は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。
年金だけで老後生活を送れる人の方が圧倒的に少ないとは思いますが、その不足分をどう補うかは自助努力が問われるところですね。
記事後半で紹介した「年金生活者支援給付金」以外にも、低所得者を対象とした国からの施策に頼る方法もあるかもしれません。しかし、根本的な解決にはつながりにくいことには注意が必要です。
参考資料
荻野 樹