シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内大手カメラメーカーであるニコンです。
ニコンの平均年間給与はいくらか
ニコン(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 767.1万円と700万円を超えています。また、従業員の平均年齢は43.6歳となっており40歳を上回っています。平均勤続年数は17.8年となっています。
ニコンの従業員数は何人か
有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で4444名。単体で4000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。
- 映像事業:867名
- 精機事業:1175名
- ヘルスケア事業:323名
- 産業機器・その他:1529名
- 全社(共通):550名
また、連結の従業員数は2万1029名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- 映像事業:1万617名
- 精機事業:3081名
- ヘルスケア事業:1598名
- 産業機器・その他:5070名
- 全社(共通):663名
過去の業績動向
ニコン(連結)の業績推移についても見ておきましょう。ニコンでは第153期より国際会計基準(以下、IFRS)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
まず、売上高ですが、過去3年をみると減収傾向が続いています。2016年3月期に8410億円であった水準が、2018年3月期には売上高は7170億円となっています。
また、税引前利益について大きく変動しています。2016年3月期には395億円の水準であったものが、2017年3月期には39億円に、また2018年3月期には562億円にまで変動しています。
投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社の所有者に帰属する当期利益は税引前利益と同様に大きく変動しています。2016年3月期には299億円、2017年3月期は39億円、2018年3月期は347億円となっています。
今後の注目点
ニコンでは2016年11月に構造改革プランを発表しています。同プランでは、売上成長から収益力強化への戦略転換を図ることに主眼を置いています。
その施策は以下の3つです。
- 全社で収益性の改善・向上を目的とした「選択と集中」を実施
- 開発・販売・生産体制をグローバル規模で最適化
- 事業の構造改革に合わせた本社機構スリム化
また、抜本的な体質改善策として以下の点にも取り組んでいます。
- ポートフォリオ経営の推進
- 資本効率を重視した経営指標に基づく事業運営と現場への展開
- コーポレートガバナンスの変革
構造改革後の新たな目標値についても注目です。
まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。
【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。
【ご参考】有価証券報告書とは
日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。
LIMO編集部