浮気、借金、嫁姑問題など、とくに決定的な「何か」があるわけではないけれど、些細なことが積み重なり、もう夫に愛情を持つことができない…。一緒にいたくはないけれど、子どもにとっては「よき父親」。生活に取り立てて不自由もない。何度も頭に「離婚」がよぎるけど、そこまでの勇気は持てない…。さぁ、こんなモヤモヤ、あなたはどう解消しますか?
「贅沢だ、ということはわかっています」
突然ですが、あなたは「離婚したい」と思ったことはありますか? ほとんどの方の答えは「YES」ではないでしょうか。
「もう離婚だ」と思ったけれど、考え直し、思いとどまり、今は持ち直している人。何度も「離婚だ」と思いながら、いつの間にかここまできた、という人。実際に行動に移した人、もしくは来るべき日に向けて着々と準備を進めている人、色々な人がいるでしょう。そして中には「今すぐできるなら離婚したいけれど、子どものこと、今後の生活のことを考えると、離婚は得策じゃない」と思い、甘んじて今の生活を続けている人もいるのではないでしょうか。
夫に浮気されたわけじゃない、借金があるわけでも、義理の実家と折り合いが悪いわけでもない。ただ、夫とは合わない。それだけ。
こんなことを口にしたら、「夫の稼ぎで生活させてもらっているのに贅沢だ」「そんな風に思っているなら夫のために離婚してやれ」「今どれだけ自分が恵まれているのかわかっていない」など非難を受けるのはわかっているし、自分でも贅沢だと思っている。でも、心にぽっかり空いた穴は埋められない。このまま年をとっていくのかと思うとゾッとする…。そんな気持ちを抱えている人もいるはずです。
私たちが離婚しない理由
では、実際に「離婚をしたいけれど、あえてしない」選択をした女性にたちに、その理由を聞いてみました。
経済的な理由
もし、離婚をしてしまうと経済的に苦しくなる。長年専業主婦をしていて、手に職を持っていない。今から仕事を探してもなかなか見つからない気がする…。離婚後の経済的な不安から、今の生活を続けることを選ぶ人も多いようです。
子どものため
自分は夫のことを愛していないけれど、子どもはパパが大好き。自分のワガママのせいで子どもから父親を奪っていいのか…。この先、子どもを大学まで出してあげるのに、やっぱり必要なのは経済力。子どものことを思うと離婚は違う気がする…そんな風に思っている人も。「子はかすがい」の言葉は、あながち間違いではないのかも。
面倒くさい
離婚届を出して「はいおしまい」というわけにはいかないのが離婚。正直、そこまでのパワーや気力がない。ならば、今の生活に甘んじている方がまし…という人も。
じゃあ、悶々と日々を過ごすの?
「離婚をしたい、でもできない」とモヤモヤした気持ちを抱えているあなた。そんな風に時間を、人生を費やすのはあまりにももったいないのではないでしょうか。そこで、「離婚したくてもできない」女性たちに、気持ちの切り替え方を聞いてみました。
「恋をしてます。ある時は宅配のお兄さん、ある時はコンビニの店員。そして今は、山崎賢人クン(笑)。恋をして、その人のことを考えていれば、毎日バラ色です」(48歳/専業主婦)
「勉強しています。介護福祉士の資格を取ろうと思って。手に職をつければ、一歩を踏み出せるかもしれないと思って」(51歳/主婦)
「記名した離婚届を持っています。これは私のお守り代わり。『いつでもこれを出せば自由になれる』そう思うと、『もう少し踏ん張ってみよう』と思えるんです」(47歳/パート)
「子どもが独立したのを機に、働き始めました。気持ちもまぎれるし、毎日クタクタなので、正直ダンナのことなんて考えず、あっという間に時間がたちます」(53歳/小売業)
「目についたこと、手当たり次第トライしています。ポーセラーツ、写経、二胡、フラダンス…。今続いているのはポーセラーツと二胡ですが、ふと思ったんです。こうやって好きなことができるのは、主人が働いてくれているからだな、と。相変わらず主人に対する愛情はありませんが(笑)、感謝の気持ちは持てるようになりましたよ」(49歳/専業主婦)
愛はないけど情はある証拠?
離婚したいという気持ちはあるけれど、何かと理由をつけて実行には踏み切れない。そんなあなた、それは、夫に愛はないけれど、情はある、という証拠なのかもしれませんよ。「離婚したいけれどできない、あぁ、私の人生つまらない」なんて考えて時間をムダにせず、「離婚ならいつでもできる」と考え直して、今の生活を充実できるよう考え方をシフトチェンジしてみるのもおすすめです。
大中 千景